K-POPアイドルを目指し、13歳で単身渡韓。5年間の練習生生活を経てデビューして約1年半。 「何度挫折してもいいけど、絶対にあきらめない」。TSUKIがステージ上で輝くまでの軌跡を追った。
TSUKIにインタビュー
Billlieとして、福富つきとしての挑戦
美しい結果をつかむため
今できる努力を惜しまない
2021年11月に結成された、7人組の女性アイドルグループBilllieのメインダンサー、TSUKIをご存知だろうか?大阪府出身で、雑誌『Popteen』モデルの経験もある20歳。舞台上でのパフォーマンスに定評があるのはもちろん、韓国の音楽番組司会も務め、バラエティ番組には引っ張りだこだ。ビューティブランドのアンバサダーにも就任するなど、個人での活動も盛ん。
「デビューからこれまで、濃い経験だらけ。想像を超える注目と愛情をいただいてありがたく、努力した甲斐がありました。後になって悔やむのだけは嫌やから、ますます努力したい」
注目を浴びるきっかけとなったのが“チッケム”。これはK-POP独自のシステムで、舞台上の一人のメンバーのパフォーマンスだけを追って撮影した映像を指す。2ndミニアルバムのタイトル曲「GingaMingaYo(the strange world)」で、TSUKIは歌い、ハードなダンスを踊りながら、毎秒毎にコロコロと表情を変えて見せた。それは確固たるパフォーマンス力がなくてはできない技でありながら、とびきりにチャーミング。観る者を夢中にさせる力があり、チッケムの再生回数は瞬く間に急上昇。「表情天才」とのニックネームがつくほどに話題の人となった。
「曲を準備しているときからメンバーたち、振り付けの先生、スタッフの皆さんと、表情がよく見えるためにはどうすればいいかを話し合いました。特にメンバーとはお互いに何度もモニタリングして、鏡の前で一生懸命練習しました。見せたいと思って努力していた部分を評価してもらい、愛してもらったことにはとても感謝しています」
このエピソードからも伝わるように、本人曰く「美しい結果」が出るまでとことん努力して、自分らしさを世の中にアピールする。かわいいだけでは終わらない、負けず嫌いのど根性娘だ。「メインダンサーは歌が下手だと思われたくない」から、歌唱力を競う番組に単独出演する。「日本人メンバーではなくて福富つきという一人の人間として、韓国でポジションを築きたい」から、得意分野に挙げるほどに韓国語をマスターし、彼女の明るいエネルギーを見せられる、音楽以外のさまざまな番組にも出演している。
「もちろん人並みに緊張もします。今回の撮影もそうでしたが、こんな風にさまざまな経験と努力を積み重ねてきたからこそ、困難があったとしても乗り越えられる力を得たと思っています」
4歳でダンススクールに通い始め、少女時代に憧れてグローバルオーディションに参加。合格を手にした中学2年生、13歳で渡韓した。
「人生一度きりだからあなたのしたいことをしなさいという両親の言葉に背中を押されて、日本を飛び出し、K-POPアーティストを目指しました。アニョハセヨとカムサハムニダしか知らなかったけれど、韓国語を一から正確に、早く習得したかったので、最初の何カ月かは両親に連絡しなかった。絶対に日本語を使わんとこ!と思ってました。頑固ですよね(笑)。毎日、毎日、何時間も勉強しましたね」
Photo_Kaori Akita Styling_Yuka Sakakibara Hair_Bae Areum (OuiOui) Make-up_Ye Mijin (OuiOui) Text&Edit_Kaori Watanabe (FW)