「話したいことがたくさんありすぎて!」。取材を終えたあとも、そう言って笑う二階堂ふみ。こうしてドラマ『Eye Love You』(TBS火曜よる10時〜)について語る場を設けたこと自体、彼女自身の希望によるものだという。甘い胸キュンラブストーリーを成立させるための、骨太の姿勢をたっぷり語ってもらった。
ドラマ『Eye Love You』について二階堂ふみがどうしても伝えたかったこと(前編)
ドラマに説得力をもたせる
「コーヒー染めのロンT」
──『Eye Love You』も佳境に入ってきましたが(26日最終回)、このドラマで二階堂さん演じる本宮侑里は仕事に邁進しながら恋愛には臆病という面がある一方で、人の心の声が聞こえる特殊能力を持つ役柄でもあります。演じるとき、そのリアリティとファンタジーのバランスはどう意識していますか?
二階堂 ドラマ全体として、ファンタジーとリアリティの境界をパキッと分けない、リアリティの中にうまくファンタジー要素を入れる設定になっているので、最初の頃はプロデューサーチームや監督と話し合いました。そもそも、プロットの段階からかなり細かくキャラクター設定が決まっていたんですよ。「侑里はこういうものが好きだろう」「これを買っているだろう」というものがたくさんありました。その上でさらに現場で「こうしてみるのはどうですかね」といろんなことをご提案させていただいて、侑里というキャラクターをみんなで作っていきました。
──設定があらかじめ綿密に作られていたうえで、さらに現場で侑里というキャラクターができあがっていったわけですね。
二階堂 たとえば、3話で侑里の会社がショコラフェスティバルに参加するシーン。あの会場でみんなで着ていたおそろいのロンTは、コーヒー豆で染めたんですよ。侑里の会社は環境に配慮して廃棄カカオを使ったチョコレートを作っている。そこからスタートした会社だから、企業理念としてそういうものを使っているという設定がいいんじゃないか、とアイデアを出させていただいたら、美術部さんがすぐに用意してくださって。みんなで染めて。
──実際に、キャストのみなさんが?
二階堂 そうです。他の撮影もあったので私は少ししかできなくて、実際は美術部さんが染めてくださったものを着たんです。でも相原(紘瀬聡一)くんが着たものは私が染めたやつで。出来がよかったから、やっぱりみんなで作ることが大切だと思いました。そうやってみんな試行錯誤していく感じがすごく楽しくて。
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Photo_Wataru Kitao Text_Fumie Tsuruki Edit_Yukiko Arai