日本、韓国、中国を中心に絶大な人気を誇り、アジアのトップグループに名を連ねるEXO。そのメンバーであり、アーティストとして、また俳優として活躍するカイさんが、『連続ドラマW 春が来た』で日本のドラマに初登場することに。しかも、初主演を務める。
「お話をいただいたときは、あまりにも幸せで、〝僕でもいいのかな?〟と不思議な気持ちになりました。ただ、それと同時に緊張が押し寄せてきて。でも、素敵な監督やスタッフ、共演者のみなさんのおかげで緊張がとけて、楽しく撮影をすることができました」
ドラマの原作は、向田邦子の同名傑作短編で、〝家族の再生〟という普遍的なテーマを描いている。カイさんが演じるのは、韓国人のカメラマン、イ・ジウォン。岸川直子(倉科カナ)との偶然の出会いをきっかけに、崩壊しかけている岸川家を変えていく。
「単なる恋愛ものではなく、家族の複雑な関係を掘り下げたストーリーです。しかも、ジウォンという家族ではない人物の視点や、与える影響が描かれているところにフレッシュさを感じました。実際に起こっても不思議じゃないと感じるリアルな物語には、共感を覚える人も多いと思います。家族という存在は、言い表すことが難しいもの。僕にとっては支えでもあり、友人でもある、人生の一部です。ドラマを見て、自分の家族のことを思い出してもらえたらうれしいですね」
ジウォンと自分には、似ているところがあるというカイさん。
「タイトルの『春が来た』は、彼が家族に温かい影響を及ぼすことを表現していると思うんです。その温かさこそが彼のいいところだと思うし、僕にもそういう部分はあるんじゃないかなって。自分で言うことではないですけど(笑)」
ときおり、優しい笑顔を見せながら話すカイさんには、たしかにジウォンと同じ、春のような温かい雰囲気が漂っている。でも、演じるうえでは大変なことも多かったそう。
「ひとつは日本語の発音です。間違った発音にならないよう気をつけていたのですが、いたらない点も多かったなと思っています。あと、撮影の最中に急にセリフが追加されることがあって、ドキドキしましたね。たとえば、もとはナレーションで気持ちを語る予定だったものを、河合勇人監督の提案でセリフにしたり。今、振り返ると、どうやって切り抜けたのか覚えていません。ただ、その瞬間は大変だったけれど、完成した作品を見てみると、頑張った甲斐があったなって思いました」
そうして時間を共有し、向き合いながらドラマを作った監督とのあいだには、深い絆も生まれたという。
「とても親切な方で、僕の意見を作品に反映してくれたことがうれしかったです。撮影が終わったときに〝また機会があれば一緒にやりましょう〟とお話しました。監督さん、覚えてくださっているかな?本当に楽しい撮影現場でした。本作もですが、演技のお仕事は楽しく、これからも挑戦していきたいもののひとつ。僕は、好きなことしかできないタイプなので、そもそも嫌なら演技をしていないですしね。これからやってみたいのは、これまで演じてきた明るいキャラクターとは違って、暗い側面を持っている人。あと、どんな小さい役でもいいので映画に出てみたいです」
俳優として、アーティストとして、たくさんの仕事をこなし、大忙しの日々を送るカイさん。先日、久しぶりにとれた休暇には、家族でハワイへ行ったそう。
「でも、親戚の子どもも一緒だったので、子守りをしないといけなくて大変でした(笑)。もう一度お休みをもらえるとしたら、今度は1人で行って、のんびりと過ごしたいですね。ハワイはもちろん、以前に行ってよかった沖縄もいいですね」 大好きだというファッションも、気分転換のひとつになっている。 「服を買うのも見るのも、雑誌の撮影も楽しいです。長い間ずっと着ていられるベーシックなアイテムが好きですね。ワンシーズンだけではなく、2年、3年、5年と付き合っていけるものが、本当にいいものだと思っています。ずっと愛用しているブレザージャケットがあって、今日もそれを着てきました。女性も、自分に似合うものを知っている人は素敵だと思います」
シャツ ¥43,000(トーガ ビリリース | トーガ 原宿店)/パンツ ¥34,000(サイベーシックス | マスターピースショールーム)