創作のアイデア、生きるヒント、背中を押してくれたフレーズなど。山本マナの“今”につながる大切な存在とは?
スタイリスト山本マナに聞く、あなたのミューズは誰ですか?
muse
モトーラ世理奈
彼女のまとう独特の空気感が
想像力の背中を押してくれる
「今までミューズ=憧れの人のことだと思っていたんです。でも、私にインスピレーションを与えてくれる人物と捉えると、すぐにモトーラ世理奈さんが浮かびました」
出会った日を鮮明に覚えているという。
「『GINZA』のお仕事のためのモデルオーディションでした。モトちゃん(モトーラさん)が制服姿で現れた第一印象から、特別な人だと感じたんです。ふわーっとしてて、無口(笑)。でも不思議な存在感を持っている。『あ、撮影したい! 彼女で何か作りたい』と思いました」
以降、仕事をする機会も増えていった。
「彼女の表情や空気が、私の世界観やスタイリングにとてもしっくりくる。会うたびに新しいイメージが湧いてきて、尽きることがない。国内から海外まで、本当にたくさん作品撮りの旅をしました。写真家のLukasz Wierzbowskiとポーランドやベルリンで撮影した写真は作品展『Cześć= Hello』になりましたし、オンラインギャラリー 『SNÖ』を立ち上げたのもモトちゃんの作品がきっかけでした。出会った時の直感は間違っていなかったんです」
知り合ってから8年。モトーラさんと多くの時間を過ごす中で気づいたことがある。
「長い時間一緒でもノンストレス。彼女は寂しがりなのでホテルではいつも私と同じ部屋(笑)。立場も年齢も違うけれど、在り方がすごくナチュラルだから、こちらも自然でいられる。お互いに声も小さいし、似ている部分もあって、“波長が合うってこういうことなんだ”と教えられました。17歳で知り合ってもう25歳。時々、姉のような気持ちになります。ふんわりしてるようで、すごく芯があってブレない。ずっと変わらないところも好きです。彼女自体が永遠のファンタジーなんです」
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山本マナ
やまもと・まな>> ファッション誌、広告、カタログ、アーティストなどのスタイリングを手がける。2019年に個展『Cześć= Hello』開催、20年にオンラインギャラリー 「SNÖ」オープン。
Photo_Saki Yagi Text_Naoko Sasaki