2011年、トップメゾンのデザイナーとして活躍していたジョン・ガリアーノが逮捕された。反ユダヤ主義的暴言を吐く動画が拡散され、のちに有罪となったためだ。それから時を経て、ジョンが事件について「洗いざらい話す」とカメラに向かうさまを捉えたのが、新作映画『ジョン・ガリアーノ 世界一愚かな天才デザイナー』(9月20日公開)。キャンセルカルチャーや、トラウマからの回復など、さまざまなテーマを含んだ重層的なファッションドキュメンタリーを撮り上げた、ケヴィン・マクドナルド監督に話を聞いた。
💭INTERVIEW
『ジョン・ガリアーノ 世界一愚かな天才デザイナー』ケヴィン・マクドナルド監督にインタビュー
白黒つけたがる世の中を問い直すドキュメンタリー「人は変われると認める必要がある」
——ジョン・ガリアーノは今年〈メゾン マルジェラ〉での、2024年春夏の“アーティザナル”コレクションが大きな話題となりました。このコレクションは見ましたか?
ええ。現場に行ったわけじゃないけど、動画で見ました。ここ10年で最高のコレクションだと多くの人が言っていた。あれだけの失墜を経験したジョンが、今、再び最も尊敬される現役デザイナーという地位に返り咲いたのはすごいことだと思います。芸術分野で、彼ほど見事に復活した人物を私は他に思いつきません。
——最近は彼と連絡をとっていますか?
ここ数ヶ月、連絡をとっていなくて。マルジェラを去るとか、いろいろな噂があるのは知っています。次にどこへ行くのかはわからないけれど。
Loading...
Text&Edit_Milli Kawaguchi