パキスタン系のニダ・マンズール監督には、ミクスチャーの美学がある。イギリス社会において、慎ましいイメージを押しつけられてきたムスリム女性。そんな彼女たちの抑圧や自己実現といったテーマを、あえてカルチャーオタク感強めの痛快コメディで魅せるのだ。出世作『絶叫パンクス レディパーツ!』は、ロンドンを舞台にガールズパンクバンド、レディパーツの成長を描く青春ドラマ。待望のシーズン2(スターチャンネルEXにて全話独占配信中)にはノーベル平和賞受賞者のマララ・ユスフザイもゲスト出演。ガールズ&クィア・エンパワーメントがますますパワーアップした今季にフォーカス。
💭INTERVIEW
ムスリム女性×パンク×コメディ。UK発ヒットドラマがめざす新次元
『絶叫パンクス レディパーツ! シーズン2』ニダ・マンズール監督にインタビュー

——シーズン2のストーリーは、シーズン1の時点ですでに構想していたのでしょうか?
いえ、当初シリーズ化は考えていませんでした。このドラマが持つアナーキーな精神に似合わないと感じていたからです。シーズン1と2の間に私は映画『ポライト・ソサエティ』を作り、監督として成長することができました。その撮影後、アイデアがたくさん浮かんできて。じっくり考える時間もあり、自然な形で続編のストーリーを思いつきました。各キャラクターの個人的な旅を深く掘り下げるのが面白かったです。
——脚本については、監督を含め複数人で共同執筆するライターズルーム方式をとっています。脚本家たちとのコラボレーションはどうでしたか?
ライターズルームはさまざまなバックグラウンドを持つムスリム女性で構成され、ムスリム女性であることの意義について素晴らしいディスカッションをおこないました。時には、議論が白熱することも。それは私たちが未知または複雑な領域に踏み込んでいることを意味します。私はそういった明確な答えのないエリアに惹かれるんです。本作はコメディですが、さまざまな社会的視点が含まれています。そういったテーマを、5人のキャラクターを通して投げかけるのはとてもエキサイティングでした。
Loading...
Text&Edit_Milli Kawaguchi