ワンレンコギャルがポケベルを振りかざしながら「だっちゅーの♡」と腰をくねらせていた1997年。日本のアイドル史を揺るがす、5人組のガールズユニットがデビューした。「モーニングコーヒー」、女の子のトキメキを甘く切ないメロディで歌う彼女たちこそが、モーニング娘。の第一期メンバーだ。あれから20年―、加入と卒業を繰り返しながらモーニング娘。は進化を遂げている。現在までに歴代メンバーは総勢41人、そのうち13人が現役の「モーニング娘。’18(ワンエイト)」として活動中だ。ちなみに、2014年からは「モーニング娘。」の後ろに年号を入れるのが正式で、2016年なら「’16(ワンシックス)」、2017年なら「’17(ワンセブン)」となっている。
巷にアイドルグループが乱立している昨今、モーニング娘。の立ち位置を聞くと、「別枠をご用意していただきたい」と、歌姫小田さくらチャンが胸を張る。「どんどん新しくなっているんです。『LOVEマシーン』の頃とは曲調も違うし、メンバーもどんどん新しくなっています」とは、目の追いかけっこを得意とする飯窪春菜チャン。「昔は真似のしやすい振り付けが多かったと思いますが、最近はフォーメーションダンスなどクォリティを重視したものが多いんですよ」と小田チャン。確かに。最近のモーニング娘。のライブ映像を見ると、歌もダンスもキレッキレ、格が違う。迫力が違う。かわいさが違う。20年の歴史と伝統に頷くばかりだ。昔は、「アタシもモー娘。入ろっかな〜??」なんて軽口を叩く輩が多かったけど、今は絶対ムリ。プロ意識の塊なのだ。「モーニング娘。はアイドルとパフォーマーのハーフなんです!」と4人が声をそろえる。そっか。一緒に育て上げるという時代は終焉していたのね。
グループが発足した1997年、現メンバーのほとんどが幼児だったり、まだこの世に誕生していなかったり……。そんな彼女たちは物ゴコロのつく頃からモーニング娘。を認知し、大きくなったらモーニング娘。になりたいと願っていたと言う。
「卒園アルバムに、〝大人になったらモー娘。になりたい〟って書いていました」とは、ドライバーの飛距離、最高239ヤードをレコードする生田衣梨奈チャン。「女の子が当たり前になりたいものでした。みんながモーニング娘。を目指して生きていくものだと思っていました」と小田チャン。カントリー・ガールズとモーニング娘。を兼任で活動する森戸知沙希チャンは、「小さい頃、ボタンを押すとミニモニさんの曲が流れるオモチャで遊んでいたのに、今、ミニモニの近いところに自分がいて感動しています」と呟く。
では20年後、モーニング娘。はどうなっている?「メンバーの娘がリアルにいそう!」と盛り上がる。「その頃、私も40歳なので、自分の娘も入れたいな」と、生田チャンが声を弾ませる。元メンバーである辻希美さんの娘サンが今年10歳で、オーディション対象になるという。リアルモーニング娘。の実現も夢じゃないカモ!?「でも20年後になったらモーニング娘。のシングルも100枚は超えているんじゃないかな?ワタシ、45枚で覚えるのヒィヒィだったのに、リアルモーニング娘。は大変かもしれない」と、飯窪チャンは姿なきメンバーの心配をする。
モーニング娘。もギンザも20周年。読者のみんなにどんなところを見てほしい?「モーニング娘。は時代に合わせて進化しています。今までは、いかに自分をみんなにそろえられるかが大事だったのですが、これからは一糸乱れぬ動きをしつつも個性が光るようなパフォーマンスをしていきたい。13人いるけど、個人個人も見ていただけたらと思います」と熱く語る小田チャン。「変化を見てほしいです。モーニング娘。は知っていたけど途絶えていた時期があったとしたら、ぜひ今の私たちをチェックしてほしいです。『今のモー娘。こんなになってる!』って驚きもあると思います」と生田チャン。「皆さんに大事にされて20年間続けてこられました。ぜひライブで見ていただきたい。そして好きになってもらえたらなって思います」と言う飯窪チャンに続いて、森戸チャンも目標を語る。「もしかしたらモーニング娘。を知らない小さな子もいるかもしれない。20周年はチャンスの時でもあると思うので、『モーニング娘。 二十歳になりました!』って幅広い世代の方にアピールしたいです。たくさんの人に見ていただけたらうれしいな」