韓国を揺るがした事件の裁判を舞台に、正義のために戦うことになる弁護士をはじめ、歴史の渦に翻弄される男たちの16日間を描く映画『大統領暗殺裁判 16日間の真実』(8月22日公開)。監督は『王になった男』のチュ・チャンミン、『パラサイト 半地下の家族』で知られ、惜しくも2023年に逝去した俳優、イ・ソンギュンの遺作となった本作。弁護士チョン・インフを、『賢い医師生活』シリーズなど幅広く活躍する俳優チョ・ジョンソクが演じ、法廷の緊張感に人間味とユーモアを添えている。そんな彼が本作で見せた役づくりの裏側と、俳優としての姿勢について語ってくれた。
💭INTERVIEW
『大統領暗殺裁判 16日間の真実』でチョ・ジョンソクが届ける希望とは?

──韓国史で実際にあった不条理な政治裁判という重い内容でしたが、あなたが弁護士チョン・インフというキャラクターに温かみとユーモアを与え、共感をもたらしていたと思います。チュ・チャンミン監督とチョン・インフ像をどのように作り上げていったのでしょうか。
今おっしゃっていただいた共感という部分を、私たちはとても大事に考えていました。チョン・インフは、このストーリーをより多くの観客の方々に届け、深く入り込んでもらえるための媒介的役割だったと考えています。その部分について監督と気を配りながら話し合い、演技をしました。監督は、チョ・ジョンソクという俳優が持つ長所や強みを、この人物に溶け込ませようとされていたと思います。
──チュ・チャンミン監督は、チョ・ジョンソクさんの強みをどういうふうに捉えられていたと感じました?
自分の口からその話をするのは恥ずかしいのですが(笑)、監督は、役を演じる俳優を通じて、人間らしい感覚を役柄に反映しながら演出していたように感じます。
この作品は非常に深く重いものでしたが、ある意味、その重みを軽減する役割を僕が担っていたのではないかと。少しのユーモアを身につけたチョ・ジョンソクを生かす役割を、監督はそんなふうに考えていたんじゃないかと個人的に思います。
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Text&Edit_Tomoko Ogawa




