養生で元気を高めるにはまず、現在の自分の体質を知るところから。以下の6種類の中から症状が当てはまるものを探してみてください。ピンとくる体質が見つかったら、「基本の養生」欄を毎日の暮らし方のヒントにして。「季節の養生」と組み合わせながら取り入れるのがおすすめです。
鍼灸師ゆにが教える、季節の養生3原則。番外編「体質チェックシート」

1.気の量が足りない
気虚(ききょ)
当てはまる症状
・疲れやすい
・少しのことで汗をかきやすい
・食べものからエネルギーを補充することができていない
・立ちくらみ・低血圧(気が上がらない)
・倦怠感・体のだるさ
・抵抗力が弱る
・冷える
基本の養生
・食事でエネルギーを摂る
・でも無理に食べない。よく噛んで、食べられるだけで大丈夫
・体を冷やすもの(砂糖など)を食べない
・体を冷やさない
・疲れるまで体を動かす→夜しっかりと眠る
2.気の流れがよくない
気滞(きたい)
当てはまる症状
・イライラする
・鬱々とする
・気の量はあるので無理はきくが、反作用が大きい
・お腹が張りやすく、げっぷやおなら、ため息が多い。胃の痛みになることも
・必要なところに気がめぐらないので、抵抗力が落ちる
・月経痛やPMS
・冷えのぼせ(足が冷えるが上半身は熱い)
基本の養生
・リラックスを心がける
・楽しいことを考える
・体を動かす(ラジオ体操や散歩など、リラックスして気の流れができる運動)
・声を出す
・香りのあるものを摂る(柑橘類やハーブなど)
3.水の量が足りない
陰虚(いんきょ)
当てはまる症状
・熱っぽく感じるが体温は高くない
・頬が赤っぽい(血虚との違い)
・皮膚や髪は乾燥している
・目や唇が乾燥しやすい
・空咳が出る
・痩せ型の人が多い
・便秘気味で便が固め。トイレは近くない
・寝るときに手のひらや足の裏が熱い
・夜型の人が多い
・活動量が多い傾向にある
基本の養生
・過労や睡眠不足に注意。夜眠る
・ストレスをためない
・香辛料を摂りすぎない
・運動は汗をかきすぎないものを(ストレッチや散歩など)
4.水の流れがよくない
痰湿(たんしつ)
当てはまる症状
・皮膚はしっとりしてやわらかいが、湿疹なども出やすい
・むくみが出やすい
・汗をかきやすい
・寒がりで暑がり。冷える
・喉が渇くが、飲むともたれる(水が下半身にたまるため)
・鼻水や痰が多い。鼻炎など
・めまい
基本の養生
・水分の摂りすぎに気をつける
・湿の増える食べものは避ける(甘いもの、炭水化物、脂っこいもの、ビールなど)
・体を温める
・体を動かす。できれば汗をかく
5.血の量が足りない
血虚(けっきょ)
当てはまる症状
・顔色・皮膚は赤みがなく白っぽくて、艶がない
・髪に艶がない、抜ける
・爪に異常が出る
・立ちくらみ、冷えを起こす
・不安感、イライラ
・目に影響
・月経異常(生理不順、無月経、更年期障害)
基本の養生
・血をつくる食べものを摂る(肉・魚、レバーなどのたんぱく質。にんじん、ほうれん草、ひじき、栗、くるみ、黒ごまなど色の濃い野菜)
・夜に眠る
・体力がない分効率よく使うためにも、流れをよくする運動を(ラジオ体操や散歩など)
6.血の流れがよくない
血瘀(けつお)
当てはまる症状
・皮膚は浅黒く、くすみやそばかすが出やすい。艶がない
・内出血や日焼けのあとが取れにくい
・舌や歯茎の色が悪い
・刺すようなじわじわした痛み
・肩こりなど決まったところの痛み・こり
・生理痛、生理不順
基本の養生
・気の流れをよくする(「気滞」の養生を参照)
・血の流れをよくするものを摂る(菜の花、なす、にら、みょうが、アジ、いわし、さんま、タコ、海苔など)。ただし摂りすぎると出血傾向に
・体を冷やさない
・水を摂りすぎない
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安東由仁
鍼灸師。京都生まれ。20年間アスレティックトレーナーとして勤めたのち、京都に戻り、左京区・鹿ヶ谷にある町家で「ゆに鍼灸院」(完全予約制)をオープン。治療だけでなく、暮らしの中でできる養生術も伝えるなど、“自分をバージョンアップ”するためのお手伝いをしている。
@humanitekyoto
humanitekyoto.com
Text: Yuni Andoh Illustration: unpis Edit: Milli Kawaguchi