好きなことを話すとき、人は一番いい顔になるのではないでしょうか。男性に愛してやまない趣味の話を思う存分語ってもらいました。 気になったら始めてみるのもおすすめ。#僕らが熱中している趣味の話
俳優/藤原季節が熱中している趣味の話。酒場で本を片手に嗜む「日本酒」
俳優 「日本酒」
常連さんとの距離が近い酒場で本を片手に一献
切なくて狂おしい恋を描いて今年話題を集めた映画『his』、男子高生たちの愛おしくも戻らない青春を描いた『佐々木、イン、マイマイン』では主演を務めた藤原季節さん。映画に生きる彼を虜にしているのは、日本酒だ。
劇場で作品を鑑賞して周辺の酒場で一杯ひっかける。休日のルーティンで、癒やしのひとときでもあるそう。
「吉祥寺、下北沢、下高井戸、新宿三丁目をよく訪ねます。足を運ぶのは、地域に根ざした居酒屋がほとんどです。いろんな人が楽しげに集う場所が好き。酒場には街の息遣いも浸透していますし。店の様子が見渡せるため、1人でもテーブルを選ぶ。読書しながら盃を傾ける時間がたまらない」
出演した映画『止められるか、俺たちを』(18)がきっかけで、その魅力に開眼。
「井浦新さんと白石和彌監督と、山形県で飲んだ〈出羽桜〉が格別でした。作品の公開記念に全国の劇場で舞台挨拶をさせていただいたんです。各地を巡って観客の方とふれあうのは、初めての体験でもありました。いろんな方と交流した興奮もさめぬまま、尊敬する先輩たちと乾杯する。僕の“幸せ”バロメーターがピークに達した中で、口にした一献はとてつもなく、おいしかった。感極まって涙が出たくらいです(笑)。記念すべきお酒となったために、その後も〈出羽桜〉を見かけるたびに嗜むように。そして、徐々に他のものも挑戦するようになりました。同じ山形県の〈十四代〉や〈ばくれん〉と、お隣でもある秋田県〈まんさくの花〉も気に入っています。日本酒に魅せられてからは、銘柄のセレクトが店選びの基準にもなっています。お、ここは高知県の〈船中八策〉が置いてあるから、行こう!といったような。超辛口の飲み口にハマり、母への初ギフトにも選んだほどです。いま、注目しているのは栃木県の〈鳳凰美田〉です。希少な銘柄らしいので、居酒屋でラインナップされていると、それだけでテンションがアガります」
日本酒と等しく肴も重要である。
「食事との相性もすごく大切にしています。直近のヒット作はクリームチーズの味噌和え!あまりにおいしすぎて、家でもマネをしています。僕は自炊が好きなので、外で味わって感激したレシピはレパートリーに取り入れます。得意料理はアジのなめろう。家では和食中心なので、居酒屋のメニューは採用しやすいんですよね。ごはんを作るときは無心になれるのもいいんです」
続けて、日本酒を呑むシーンが印象的な邦画を3本教えてくれた。
「『苦役列車』(12)では、水のごとくコップに入った酒をぐいっと。とにかく、飲みっぷりが気持ちいい! そして、胸キュンなのは『風俗行ったら人生変わったwww』(13)のデートシーンですね。升とグラスになみなみと注がれたものを、2人で見つめ合いながら口にする。男同士で静かに酌み交わす『あなたへ』(12)のワンシーンは、胸に迫るものがありますよ」
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藤原季節
1993年生まれ。現在、ドラマ『監察医 朝顔』(フジテレビ系)が放送中。映画『佐々木、イン、マイマイン』では主演を務める。2021年、主演映画『のさりの島』が公開。