愛すべき服を「いつもキレイに美しく!」。今の時代だからこそ実践したいホームクリーニング術をプロフェッショナルに教えてもらいました。#大切なものほど自分でケア。お手入れとお洗濯
ホームクリーニング術をプロたちが指南|気をつけたいアイテム編
厚手も薄手もニットはホームケアで大切に
モヘアも自宅で洗えますよ!
アランニットや薄手のウール、カシミアやアンゴラまで、ふんわりとした風合いを保つには、実はドライクリーニングよりも家庭での手洗いが一番。ただし、縮みやすいので気をつけたい。「動物の毛なので人間と同じ。摩擦でキューティクルがからむのでもみ洗いは厳禁です。汚れやすい首回りや袖口は石けんで叩いて前処理、おしゃれ着用の洗剤で押し洗いして最後に柔軟剤かヘアリンスを。平置きで完全に乾いてから乾燥機に20分ほどかければフワフワの質感に戻ります」(古田)。「平干し台が便利です。濡れている状態で、手アイロンでシワを伸ばして形を整えるとキレイに」(谷崎)
デリケートな異素材ミックス
「スタッズつきのアイテムは生地が痛むので裏返しにしてネットに入れて洗います。シルクなど繊細なファブリックの切り替えはケアラベルを必ずチェック。素材によって洗った時の伸縮率が異なるので、プロに任せた方が良い場合が多いです。ただし、レザーやファーが部分的にあしらわれているものは石油系の溶剤を使ったドライクリーニングに出すと風合いが変わってしまうので注意」(古田)
肌にふれるので汚れやすいストールのケア
手洗い&スチーマーで!
谷崎さんは〈ジュリアン デイヴィッド〉の大判カシミア、シルク、そしてコットンのバンダナタイプまで、異なる素材もすべて自宅で。「たらいにおしゃれ着用の洗剤を入れて優しく手洗い、すすぎはしっかりしてから生地を傷めないよう絞らずそのままお風呂場につるして乾かします。最後に半乾きでスチームするだけで簡単にキレイに」(谷崎)。「カシミアやウールはブラッシングが有効ですが、端のフリンジはほどけるので気をつけて。畝り加工も水洗いでとれるのでドライクリーニングを」(古田)
型崩れしやすいキャップはどうする?
ファンデーションや皮脂がつきやすい内側は「濡れタオルでたたいて、汚れを浮き出させてとります。外側はブラッシングでホコリを落として。肌に触れる部分と外をまめに手入れすればキレイな状態を保てます」(古田)。「全体的に汚くなってきたらハチのところを予洗いしてからタライに薄く洗剤をたらしてくぐらせるように洗います。仕上げは丸みをキープしながらスチームで」(谷崎)
色落ち注意のデニム&シャンブレー
色落ちさせずにキープ
1950年代後半の〈ラングラー〉のキッズデニムジャケットをリペアしながら大切に着ている谷崎さん。「デニムは洗う頻度を少なく、汚れた場合は色落ちさせないよう〈エマール〉で洗濯。この1枚は直し屋さんでメンテナンスしながら大事に使っています」(谷崎)。新品にも見えるシャツは髙田さんが2006年に入手した〈ナンバーナイン〉のもの。「シャンブレーはどうしても色が薄くなるけど、愛着ある服は状態良く保ちたいですよね。汚れは沈着するので放置せず、洗う時もこすったり引っ張ったりしない。丁寧に扱うことで変わります」(髙田)
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教えてくれた方たち
レジュイール 社長
古田陽祐
独自のノウハウでファッション関係者から絶大な支持を集める高級クリーニング店「レジュイール」を率いる。www.rejouir.co.jp
スタイリスト
谷崎 彩
1998年から代官山で輸入洋品店を。服への情熱を綴った本誌ウェブ連載でのクリーニング術も話題。「結果がすぐに出るから洗濯って楽しいです」
スタイリスト
髙田勇人
祐真朋樹氏に師事し2016年に独立。洗濯歴は長く、高校時代から大切な服は自分で洗っていた。「良いものを長く着ることはサステイナブルにも」