“クリエイトする人たち”の日々を支えるアイテムとは?偏愛エピソードと共にお届けします。
サバシスター ヴォーカル&ギター・なち ひらめきをくれる愛用品

ミュージシャン・なち(サバシスター)
愛用品「グラフィカルなステッカー」

創造力をかき立てると同時に
自分らしさの表現ツールにも
バンドを結成して、わずか2年後の2024年3月にメジャーデビュー。怒濤の快進撃を続け、注目を集めるスリーピースのガールズバンド、サバシスター。そのヴォーカル&ギター担当であり、アルバムジャケットやツアーグッズのデザインもなちさんが手掛けている。
「専門学校でグラフィックデザインを専攻していたんです。ステッカーを集め始めたのは中学の頃から。美術館のミュージアムショップや、イベントやブランドのノベルティ、ライヴで購入したグッズ、ガチャガチャで手に入れた1枚、居酒屋のトイレの棚に置いてあった知らないショップのシールとか……」
今回持参してくれたアディダスの靴箱には、多種多様なステッカーがぎっしりと入っていた。
「好みは浮世絵などの和物や、パロディとかユーモアがあるもの。カラフルな色使いにも惹かれます。特に気に入ったステッカーは、貼る用、予備、保存用の3枚買っちゃいますね。今持っている数は、100種類以上はあるんじゃないかな?なかでも一番のお気に入りは、好きなバンドのステッカー。ライヴを観に行った時に買ったり、今なら、対バンしたバンドと交換したり。ミュージシャンにとって、ステッカーは名刺のようなものなんです。それぞれの個性が光っていて、面白いですよ」
そんななちさんにとって、ステッカーは創作意欲を刺激するアイテムでもある。
「ステッカーは2次元の制限されたスペースの中で、色やグラフィックで伝えたい世界観を表現しているんですよね。作り手の想いが凝縮されているから、見ているといろいろと影響を受けることもあるし、自分のバンドのグッズとしてデザインするときはもちろん気合が入ります」
こうしてコレクションしたステッカーは、ギターやアンプケース、携帯電話、タブレットなど、仕事での必需品や身のまわりの持ち物に貼って愛でている。
「どれを選ぶかは、色合わせやサイズを考えつつ、その時のひらめきで決めています。でも、1枚しかないレアなものを使う勇気は、なかなか出ないですけど(笑)。貼ることで持ち物がぐんと自分らしくなり、愛着が湧いてくるんですよね」
そう語りながら、取材中にピンクのアンプケースに、大好きなバンドのステッカーを2枚追加で貼ったなちさん。バンドと共に、アンプケースの今後の成長ぶりも楽しみだ。
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なち(サバシスター)
>> ネット掲示板ジモティーでのメンバー募集をきっかけに、2022年に結成されたサバシスターのヴォーカル&ギター担当。24年9月にはメジャーデビュー後初のEP「あの夜のはなし」をリリース。
Photo_Naoto Usami Text&Edit_Kazuyo Nojiri