昨年11月、閑静な住宅街にオープンした「ルメール エビス」。歴史を誇る日本家屋の魅力はそのままに、ブランドの哲学を吹き込んだ。#2025気になるインテリアニュース
〈ルメール〉が恵比寿に“家”をつくった?
日本家屋を活かした新ストアへ
古物とデザイナーズ家具が交わる
タイムレスな内装
恵比寿の住宅街に、突如〈ルメール〉の“表札”が現れた。世界で3店舗目となる待望の旗艦店が入ったのは、個人の邸宅として建てられた築60年以上の家屋。170平米ほどの二階建てで、窓の外には庭が広がる。数ある候補のなかから一目惚れしたというこの物件。修繕を繰り返した形跡があり、大事に受け継がれてきた背景を感じられたのが決め手だった。できるだけ部屋の原型を残しつつブランドの感性を取り入れながら改築したそう。居住空間であった部屋の用途をそのまま活かし、シーズンやアイテムごとに分けられた衣服を溶け込むようにディスプレイ。まさに、誰かの部屋に上がり込んだような感覚は、〈ルメール〉独自のおもてなしの精神を伝える意図に沿っているのだろう。
世界観をとことん表現するため、インテリアにも随所にこだわりが垣間見える。オープン直前まで国内外から集めたというデザイナーズやヴィンテージの家具と雑貨は、余白を持たせた配置を意識した。例えば、スツール一つにしても壁から少し離して置くことで、そこに直前まで人が座っていたかのようなリアルさを醸し出している。日常の些細な一コマを切り取るちょっとした工夫によって、知人の家を訪れたかのような安心感が漂っている。
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ℹ️
「ルメール エビス」
住所_東京都渋谷区恵比寿3-21-1
営業時間_11:00〜19:00
フランスを拠点に活動する、クリストフ・ルメールとサラ=リン・トランによるブランド。時代を問わずに着られるベーシックなワードローブを提案。
Photo_Masanori Kaneshita Text_Nico Araki