日々の生活に役立つ道具としてだけでなく、空間に置くだけで美しい風景が広がるアートピースのようなクラフトを集めました。#暮らしで使いたいオブジェ
暮らしで使いたいオブジェ【照明編】
和紙が映し出すモダンな光

1 MD2V
モロッコと日本の技法を融合
マットな質感と絶妙な色ムラが特徴的な台座の表情は、モロッコ・マラケシュに伝わる石灰を磨き出す左官技術、タデラクトに発想を得ながら、独自のスタイルで進化させた手法。ランプを点灯すると、和紙のシェードから漏れ出る光がベースの個性を静かに引き立たせる。作家の吉本康晃は、建築デザインをベースに、光と素材の関係を探求する作家だ。〈ワシ/ライム テーブルランプ LT-003〉H36×W20×D20cm ¥44,000(ブルーモ)
2 タイム アンド スタイル
現代で出合う水戸と越前の伝統工芸
ぷっくりと膨らんだ水滴のような形は、水戸の水府提灯と越前和紙の技術を掛け合わせたもの。東京・兜町のホテル「K5」を手掛けたスウェーデンのデザインユニット、クラーソン・コイヴィスト・ルーネが同ホテルのためにデザイン。ペット樹脂に紙を巻き付けた繊細な骨組みの上に、繊維の長い楮を使用した越前和紙を貼っている。〈ドロップ ペーパーランプ BDTL-501フロアライト〉φ45×H51.8cm ¥198,000(タイム アンド スタイル)
3 YAMAGIWA
名作住宅のためのモダン照明
生活者のゆとりや心地よさに注力した日本近代建築の名手、吉村順三は、建物だけでなく照明も積極的にデザイン。金属と和紙を組み合わせたこの照明は吉村の代表作である「軽井沢の山荘」や「南台町の家」で使われていたオリジナルを復刻したモデル。スレンダーなフォルムとストライプ柄には、時代に左右されない新鮮な感覚が宿っている。〈吉村順三 フロアライト〉H91×W28×D28cm ¥136,400(YAMAGIWA)
4 カリモクケース
京都の伝統提灯を現代のかたちに
リング状にした竹ひごを並行に組み上げ、その一つ一つに糸を潜らせて固定する「地張り」で作られる丈夫な京提灯。寛政年間(1789〜1801年)の創業からこの伝統を守り続けてきた小嶋商店が、デンマークのデザインスタジオ、ノーム・アーキテクツと協業。ミニマルな円錐型のペンダントライトは提灯と同じ構造をしているので、平らに畳んでコンパクトに収納することも可能だ。〈N-PL01〉φ70×H36.7cm ¥289,850(カリモク家具)
Photo_Junpei Kato Styling_Yumi Nakata Flower_fiore soffitta Text_Hisashi Ikai
