生活を豊かにするアイデアを、画像や動画で発見できるビジュアル探索ツール“ピンタレスト”。ヴィンテージショップ「JASMINE VINTAGE」のオーナーとファッションブランド〈Allege.〉のウィメンズデザイナー、二足の草鞋で活動する水谷優里さんも愛用者の一人。彼女のスタイルを作る3つのファッションルールを、自身のアイデアソースとともに教えてもらいました。
〈Allege.〉デザイナー 水谷優里さんのスタイルを作る、3つのファッションルール with Pinterest
普段着ないアイテムやスタイルにも
積極的に挑戦する
「苦手意識を持たずに、なるべく色々なスタイリングを試してみるようにしています。ピンタレストで直感的に“これ着てみたいな”と感じるアイテムやスタイリングの画像を見つけたら、それを自分らしく取り入れるにはどうしたらいいかを考える時間も楽しい。今日のチャレンジアイテムは、フロントがレースで透けている真っ赤なシャツ。この華やかなデザインに、枕みたいなフォルムが存在感のあるバッグ、そして大胆なフレアシルエットのボトムスをあえて合わせました」
個性的なアイテム同士をまとめるためのヒントは、ピンタレストで目にする海外のストリートスナップから得ることが多いそう。
「たとえば、“赤とピンクを組み合わせてもかわいいんだ”とか。チェック×ボーダーなど、柄と柄を合わせるのも好きなので、そういう気分の日もアプリを開いて、保存していたピンを参考にしたり。新鮮なスタイリングを目にしたら、挑戦してみたくなるんですよね」
どこかに古着を一点取り入れる
2022年に移動式のショップ「JASMINE VINTAGE」を立ち上げた水谷さんにとって、古着はワードローブに欠かせないアイテム。
「スタイリングに深みや面白さが出るので、どこかにヴィンテージアイテムをMIXするのが私の定番。既視感のある普通の着こなしから脱することができるんです。今日は“R”のパッチがかわいいチアブルゾンを合わせました。古着を取り入れるときに心がけているのは、カチッとした小物を持ってくること。今日のスタイルでいうと、クラシックなローファーが入ることで、全体にまとまりや品が加わっていると思うんです」
レザーの手袋をバッグにつけて、色味を足したのもポイント。「差し色の配分といったバランス感覚は、クオリティの高いヴィジュアルが次々流れてくるピンタレストで自然と吸収している部分もあるかも。私が好きそうな画像や動画をレコメンド機能が提案してくれて、自力では辿りつけない発想に出合えるのも魅力だなと思います」
Rule 3
メンズアイテムはバランス感が鍵
エイジングが美しいレザージャケットは、メンズの古着。
「シャツやタイトスカートなどのコンパクトな着こなしに、あえて大きめサイズの羽織ものをプラスしてみました。このハズしがないと、綺麗にまとまりすぎてしっくりとこない。ボリューム感があって、無骨な雰囲気のメンズアイテムを組み合わせると、奥深さが出るんです」
「ピンタレストでコーディネート写真を保存するときの基準の一つは、自分が似たアイテムを持っているかどうか。同じシルエットのジャケットを持っているから、このスタイリングを今度真似してみようとか、水色の小物を最近買ったから、この色の組み合わせを参考にしてみよう、とか。共通点を見つけて、そこから着こなしの参考にすることが多いんです」
“かわいい”が積もっていくと
自分の好きが分かってくる
「ピンタレストは学生の頃からずっと使い続けています」という水谷さん。普段はどのような使い方をしているのでしょうか?
「常にチェックを欠かさないアプリなので、移動中や仕事のブレイクタイムなどに見て、気になる写真や動画があればすぐに保存。“LIKE”と名付けたボードにとりあえず入れることが多いです。そこにはファッションを中心に、今の私の気分が詰め込まれている!1枚の写真だけだとわからなくても、それが10枚、20枚と増えていくと今の自分のムードが見えてくるんですよね。それがプライベートにも、仕事にも生かされていると感じます」
具体的に、お仕事ではどのような活用方法が?
「たとえば、ビジュアル撮影をする際にアイデアを膨らませるため、自分の頭の中を整理するときによく使います。構図のバランス感や撮影方法など、参考にすることはありますね。スタッフとグループボードを作って、イメージを共有することも。写真など視覚的なムードやニュアンスを分かち合うのにぴったりなんです!言葉だけだとどうしても伝えきれず、上手くいかないこともあるんですよね」
長年使ってきただけに、今ではクリエイティブ活動に欠かせないツールに。
「これまでたくさんピンを保存してきたこともあって、アプリを開くと私のセンサーに引っかかる写真や動画を次々とレコメンドしてくれるんです。その精度も、年々上がっていると感じます。あとは、アルバムのように少しずつ好きなものが蓄積され思い出のようになっていって。昔に保存したピンを見返すと、“あの時こんな気分だったんだな”とか、“これ、今アリかも”とリバイバルが来ることも(笑)。自分の中でブームはありつつも、根本的に好きなものや着たいものは一緒だったり。そんな気づきがあるのも、自分の“かわいい”や“好き”が目に見える形で貯まっていくピンタレストならではだなと思います」
INFORMATION
水谷優里さんがこの冬着たいファッションのアイデアを集めたコラボボードを公開中。以下のURLからチェックして!
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水谷優里
大学時代2年間のパリ留学経験を生かし、ヴィンテージショップ「JASMINE VINTAGE」を運営。 イベントやオンライン販売を中心に、同世代の女性からの支持を集める。2021年秋冬より〈Allege.〉のレディースデザイナーを務める。
Photo: Wataru Kitao Text: Minori Okajima