旅の真髄にオマージュを捧げる〈ルイ・ヴィトン〉の「フライト・モード コレクション」。一歩を踏み出す人々に似合う2025年プレフォールの新作を、いま世界が注目する穂志もえかと共に。新たなステージに立つ俳優が演じる、あるひとときのストーリー。
〈Louis Vuitton〉穂志もえか、旅路の途中


日常からそっと離れたくなったのには、きっと理由があるのだろう。お気に入りのドレスに袖を通して、いつもと違う時間を求めて感情の赴くままにこの場所へやってきた。
シルク生地が優しく肌を撫でるストライプのドレス。開襟にミディ丈、どことなくレトロなムードが漂う一着は、スタイリストのグレース・コディントンとのコラボレーション。「モノグラム・フラワー」に紛れて、小さなネズミのモチーフがこっそりと潜む。大切に抱えるバッグは春夏シーズンに仲間入りした〈LV バイカー・ナノ〉の新色。アイコニックなバイカージャケットから着想したデザインで、ピクセル状のグレインレザーに淡いジャスミンピンクがほのかな甘さを添える。

「まずは花を生けて」と思った。けれど、どこに飾ればいいのか迷ってしまう。私は水を与える。でも、花は土を求めているはずだ。白いドレスの裾を、そよ風が揺らした。
ウエストに向かってダイアゴナルに切り替えたパターンが、モダンで品のあるエレガンスを引き出す。身にまとったのは、そんな佇まいのパネルドレス。傍らには、今季の新作バッグ〈オデッセイ〉を。「モノグラム・キャンバス」に、リップスティックなどの小物をしまえるサイドポケットが実用性あるアクセントに。

人が私を見るのは勝手だけれど、鏡のなかの自分の眼差しはどうにも苦手だ。今はまだ、いろんなことに知らないふりを続けていたい。
織り柄で「モノグラム・パターン」を描いたファンシーツイードのミニワンピースは、背筋を伸ばして着こなしたい1枚。フロントのレザーバックルが、少しハードな印象をもたらす。バッグは、デイタイムからイブニングまで寄り添うコンパクトサイズの〈GO-14 PM〉。「LV ステッカー」をテーマにしたリップスティックやパドロック(錠前)のメタルチャームが愛らしく、鏡を見る時間にもそっと寄り添う。

頰をくすぐる心地よい風と、眩しいほどの緑。ゆったりと流れるいつもとは違う時間のなか、ふと窓に映ったのは肩肘をはったままの自分。
シルク混ウールで仕上げたビッグサイズのボンバージャケットを羽織って。誇張されたリブが印象を残す。「モノグラム・パターン」をエンボスで立体的に刺繡したクルーネックセーターには、ラップ仕様のプリーツミニを。スクールガールを彷彿とさせる装いに、甘さと強さが同居する。
Model_Moeka Hoshi Photo_Hiroko Matsubara Styling_Tomoko Iijima Hair_Tomihiro Kono Make-up_Nobuko Maekawa (Perle Management) Text&Edit_Aiko Ishii