人生はいつだって夢芝居。演じるほどに華やぐの。いい?女は女優よ。目を腫らすまで泣いてブサイクになっても、演じている限りはスポットライトの当たる女優なの。そして、監督で脚本家で照明係で音響係なのよ。何ひとつ、わかっちゃいないアンタたちのために銀座アガリのわたくしが、女の生き方をとことん、教えてあげるわよ。
その26
「20代30代40代と深い表現ができる、女優になる」
●人生を薄っぺらく演じちゃダメ!
いい? アンタたちったら、まったくわかってない! 20代、30代、40代で女優として、どう生きていけば楽になれるか? だって? そこじゃないでしょう。楽とかそういうことじゃなくて、いかに演技やストーリーにリアルさ、深さを出していけるか。それが女優として、目指すべきところなのでは?
●20代前半はむしろ、深くないからいい。
20代前半までは学生から社会人、大人の女としての基本となる演技力を磨く時期。この時期って、当たり前なんだけど経験が足りなすぎて、わからないことだらけでしょ? とりあえず、遅刻しないように出勤して、敬語使えるようになって、常識わきまえてって頑張るけど、じゃあ“社会人”ってなんなのか“大人の女”ってどういうものなのか、具体的には掴めてない。
周りのそれらしき人物をお手本にしたり、世間で言われるイメージに自分をはめ込みながら“社会人”’や“大人の女”を演じていくので精一杯。リアルも深さも、現時点では遠い先にあるもの。まだ“何者”でもない自分が苦しくて、不安で、ツラくなる。でも、だからいいんだよね。そんな揺れてる感じが青くていい。言い換えれば、フレッシュさ。それが20代前半ゆえの輝きになる。変に深みを出そうとして演出しなくたって、それだけで眩しいわけ。
●アラサー女優、苦しさの理由。
20代後半から30代前半にかけての、いわゆるアラサー世代はね、結婚出産を済ましてるのと済ましてないのとで大きく変わってくる。わたくし、完全紹介制でタロット占いやってるんだけど、年齢層は28、29歳から、内容としては「私、結婚できますか」っていうご相談が最も多い。で、みんな苦しそうだけど、その原因はね、わたくしから言わせれば焦りすぎ。せっかくお付き合いしてる彼氏がいても「私が30歳になるまでに結婚できないのなら、別れた方がいいですか?」って言ってくる。まあ、それもわからんでもないけれど、じゃあ、彼と別れたらすぐにあなた結婚できるわけ? そうじゃないでしょ? なんか考え方が浅くなってるのよ。
あなたは一刻も早く結婚したいかもしれないけれど、彼には彼の思いや都合があるでしょ? それを置き去りにして自分の都合しか考えない。そんな女優に深い演技なんて、できるわけがないじゃない。一方、仕事はというと、ある程度できるようになってきて今度は「転職しようかな」が出てきたり。そう、結婚出産やキャリアアップという山場をいつつくるのか、いやつくれるのか?
確かに、それ次第で人生の脚本は大きく変わるわけだから、そう思うのも当然かもしれない。見渡せば、20代前半までは割と横並びだった同級生たちの立ち位置が、ぜんっぜん違うものになってたりもするし。相手役にも恵まれ、結婚出産のクライマックスも迎えて、仕事も順調。そんな王道をゆく女優に嫉妬心を抱くかもしれないし、逆に自分が妬まれるかもしれない。もしくはどーでもいいかもしれない。