05 May 2020
人生、演じてナンボ!元銀座ホステス藤島佑雪の女優塾 vol.27「自分の幸せは自分の意思で選びとる、女優になる」

人生はいつだって夢芝居。演じるほどに華やぐの。いい?女は女優よ。目を腫らすまで泣いてブサイクになっても、演じている限りはスポットライトの当たる女優なの。そして、監督で脚本家で照明係で音響係なのよ。何ひとつ、わかっちゃいないアンタたちのために銀座アガリのわたくしが、女の生き方をとことん、教えてあげるわよ。
その27
「自分の幸せは自分の意思で選びとる、女優になる」
●女優は個性が求められる生き物だから。
いい? アンタたちったら、まったくわかってない! 自分の幸せっていうのはね、他人さまから祝福されたり、認めてもらえなくたっていいの。自分で「幸せだな~」って感じられればそれで十分、幸せなのよ。友だちやツイッターなんかの評判で決まるもんなんかじゃ、ぜんっぜんないんだから! 特に女優は‘自分’という個性があってこそ、成り立つ存在なんだから、自分の思いをとことん貫くことが使命でもあるはず。
●わたくしの若気の至り、砕け散った恋物語。
わたくし、若いときの恋愛で、失敗したなって思ってることがあって。すごく素敵だなって思って、お付き合いしてたんだけど、そんなにマメに連絡をくれるひとじゃなかったのね。で、友だちとの女子トークでそのことを話したわけ。別に不満があって話したわけじゃなくて、お互いに彼とどのくらいの頻度で連絡とってるかって話になったから、「次に会う日を決めるために週1程度かな」って、ありのままを話したわけよ。そしたら、その友だちが「ありえない!」って怒り出したわけ。「なに、その男、誠意がない! フツー付き合ってたら毎日、おはようとおやすみは連絡し合うもんだよ! あんた、都合のいい女になって遊ばれてる」って言うわけ。
でも、言ったことは必ず覚えててくれて、約束は守ってくれるし、それなりに信頼関係があったし、大好きだった。彼もそうだとわたくしは実感できてたの、それまでは。でも、そのときのわたくしは女優といっても見習いみたいなもんで未熟だったし、昔から早熟で大人っぽかった友だちのこと信じてたから、「そうかもしれない」って急に不安になっちゃって、それ以降は彼に連絡が少ないことを文句言ったわけ。
そこからよね、おかしくなったのは。彼は連絡をマメにくれるようにもなったけど、2人にとって大事なとこはそこじゃなかったわけ。本当は。で、ほかのこともいろいろ、その友だち基準で「正しい彼氏のあり方」みたいなことを聞きつけちゃあ、間違い探しをして、彼を吊し上げていくうちに、気がついたら、お互いすっごくしんどくなっちゃって。結局、別れることになったの。いつの間にか、ハッピーエンドの脚本がバッドエンドになっちゃった。
●信念が違う監督のアドバイスに従った結末。
そのときはわからなかった。でも、わたくしも経験を積んで、銀座でもたくさんの男のひとを見ていくうちに、わかってくるわけよ。恋の仕方も付き合う形も、本当にひとそれぞれだってことが。なおかつ、好きになれるひと、自分が主役の舞台における最高の相手役って人生のなかでそんなに会えるもんじゃないってことも。
で、思った。「あのとき、別の監督(友だち)の言うことより、相手役(彼)を素直に信じればよかった」って。もう彼は素敵な女性と結婚しちゃってたし、その監督(友だち)を観察してると、毎回、せっかく付き合った彼氏にいちゃもんばっかりつけて、自分から信頼関係をぶっ壊すクセがあるってことにも気づいた後だった。
●真のクリエイティブが幸せをつくる。
でね、こういうわたくしにとっての友だちみたいな助言をするひとって、ちょいちょい人生劇場には登場すると思うのよ。それもこの選択でその後のストーリーが大幅に変わる!みたいな岐路で脚本をいじってくる。「老後を考えたら大企業じゃないと」「大学くらい行きなさい」とか、なんでもいいけど話の方向性を変えようとしてくる。そのひとは親だったり、友だちだったり、自分を心配して言ってくれてる。
でもね、どんなに身近なひとであっても、親や友だちが求めてる脚本と自分が演じたいストーリーは違うよね?自分の人生は自分にしか演じられないし、自分という女優の個性は自分にしか発揮できないよね? 自分らしいってことほど、クリエイティブなことってないんだから。ほかの誰とも違う自分だけの脚本を自分の言葉と思いで書いて、自分の感性で演出つけて、物語を紡いでいく。それでこそ、自分が主演女優として輝けるすべ、幸せになれる道なんじゃないかな。違う?
藤島佑雪 ふじしま ゆうせつ
藤島佑雪(ふじしま ゆうせつ)。占い師・開運アドバイザー。元銀座のクラブホステス。著書『元銀座ホステスが教える強運!美女になる方法』(文藝春秋社刊)。『an・an web』にてお悩み相談「クラブ佑雪」、WEBサイト『TABI LABO』で「「今、ツラい」が自由になる! 12星座占い」の連載中。
Illustration: Momoko Ono Edit:Karin Ohira