人生はいつだって夢芝居。演じるほどに華やぐの。いい?女は女優よ。目を腫らすまで泣いてブサイクになっても、演じている限りはスポットライトの当たる女優なの。そして、監督で脚本家で照明係で音響係なのよ。何ひとつ、わかっちゃいないアンタたちのために銀座アガリのわたくしが、女の生き方をとことん、教えてあげるわよ。
その27
「自分の幸せは自分の意思で選びとる、女優になる」
●女優は個性が求められる生き物だから。
いい? アンタたちったら、まったくわかってない! 自分の幸せっていうのはね、他人さまから祝福されたり、認めてもらえなくたっていいの。自分で「幸せだな~」って感じられればそれで十分、幸せなのよ。友だちやツイッターなんかの評判で決まるもんなんかじゃ、ぜんっぜんないんだから! 特に女優は‘自分’という個性があってこそ、成り立つ存在なんだから、自分の思いをとことん貫くことが使命でもあるはず。
●わたくしの若気の至り、砕け散った恋物語。
わたくし、若いときの恋愛で、失敗したなって思ってることがあって。すごく素敵だなって思って、お付き合いしてたんだけど、そんなにマメに連絡をくれるひとじゃなかったのね。で、友だちとの女子トークでそのことを話したわけ。別に不満があって話したわけじゃなくて、お互いに彼とどのくらいの頻度で連絡とってるかって話になったから、「次に会う日を決めるために週1程度かな」って、ありのままを話したわけよ。そしたら、その友だちが「ありえない!」って怒り出したわけ。「なに、その男、誠意がない! フツー付き合ってたら毎日、おはようとおやすみは連絡し合うもんだよ! あんた、都合のいい女になって遊ばれてる」って言うわけ。
でも、言ったことは必ず覚えててくれて、約束は守ってくれるし、それなりに信頼関係があったし、大好きだった。彼もそうだとわたくしは実感できてたの、それまでは。でも、そのときのわたくしは女優といっても見習いみたいなもんで未熟だったし、昔から早熟で大人っぽかった友だちのこと信じてたから、「そうかもしれない」って急に不安になっちゃって、それ以降は彼に連絡が少ないことを文句言ったわけ。
そこからよね、おかしくなったのは。彼は連絡をマメにくれるようにもなったけど、2人にとって大事なとこはそこじゃなかったわけ。本当は。で、ほかのこともいろいろ、その友だち基準で「正しい彼氏のあり方」みたいなことを聞きつけちゃあ、間違い探しをして、彼を吊し上げていくうちに、気がついたら、お互いすっごくしんどくなっちゃって。結局、別れることになったの。いつの間にか、ハッピーエンドの脚本がバッドエンドになっちゃった。