22 Jul 2020
人生、演じてナンボ!元銀座ホステス藤島佑雪の女優塾 vol.28「虚栄心を捨てられる、女優になる」

人生はいつだって夢芝居。演じるほどに華やぐの。いい?女は女優よ。目を腫らすまで泣いてブサイクになっても、演じている限りはスポットライトの当たる女優なの。そして、監督で脚本家で照明係で音響係なのよ。何ひとつ、わかっちゃいないアンタたちのために銀座アガリのわたくしが、女の生き方をとことん、教えてあげるわよ。前回のテーマは「自分の幸せは自分の意思で選びとる、女優になる」
その28
「虚栄心を捨てられる、女優になる」
●心の奥に潜む虚栄心が恥ずかしい!?
いい? アンタたちったら、まったくわかってない! 他人のインスタがあまりにも眩しくて落ち込んじゃう、ですって? それでもって、負けじとイケてる自分を演出して投稿しちゃって、かえってそんな見栄っ張りな自分が情けなくなる? 「虚栄心を捨てたい」って?
●なぜ、ほかの女優と張り合ってしまうのか?
それって「自分という女優をどういう方向性で売り出すか」という、女優活動をしていくうえでの基本方針が定まってないってことだと思うんだけど。たとえばだけど、高級ブランドの最新コレクションで全身固めてハリウッドセレブとも仲よし路線でいく! って決めてるなら、それが虚像であってもそれでいいと思うわけ。麻や綿の天然素材を身にまとって、自家菜園の無農薬野菜を食べてます路線でいく! っていうなら、それもそれでいいと思うわけ。もしくはそういうライフスタイルを見せていくのか、ステージを降りたら一切、生活感を出さないでいくのかも、自分の判断でいいと思うわけ。女優としての自分を売る商品パッケージができてるってことが大事だから。でも、ここで「虚栄心を捨てたい」って泣き言を言うってことは、それができてないってことでしょ?
つまりは自分の、女優としての魅力、個性をまったく理解してないってことだよね? わかってないから、勝手にほかの女優をライバル視して、同じ舞台に上がって張り合っちゃう。見栄を張ってしまうってことだよね? でも、そこだっけ? 自分が上がるべき舞台は。ミュージカルをやりたいわけでもないのに、なんで劇団四季のオーディション受けるの? みたいなことになってない? それでいいの?
●マネジャー目線で女優の売り出しを考える。
これまでわたくしは、自分という女優を輝かせるためには、自分自身が監督、脚本も担当しなきゃって申し上げてきたけれど、マネジャーとしても腕を振るわないとね。自分をよりよく売るためにマネジャーとして、進むべき道筋もしっかりコントロールした方がいい。
●生きる原動力としての虚栄心。
そもそも「虚栄心」とは。言葉の意味をググってみると「自分を実質以上に見せようと、みえを張りたがる心」(デジタル大辞泉)。「うわべだけを飾ろうとする心。自分を実質以上によく見せようとする心」(精選版日本国語大辞典)。
わたくしは「実質以上に見せる」っていうのは、全然、ありだと思う。「私はこれでいく!」という狙いがあれば、虚栄心は「女優としての方向性を決定づけるブランディング」として、ポジティブなパワーを発揮してくれるはずだから。
だからね、虚栄心っていうのは、それに引きずられて自己嫌悪に陥るようなものじゃなく、むしろ、自分という女優を輝かせるためにある、自己プロデュースの小道具なんじゃないかな。そう思って、虚栄心と向き合うと、どの服を着て、どこのレストランに行って、どうSNSに上げるか、なんてことのひとつひとつがもっと楽しくなるんじゃない? わたくしはそんな風に存じます。
藤島佑雪 ふじしま ゆうせつ
藤島佑雪(ふじしま ゆうせつ)。占い師・開運アドバイザー。元銀座のクラブホステス。著書『元銀座ホステスが教える強運!美女になる方法』(文藝春秋社刊)。『an・an web』にてお悩み相談「クラブ佑雪」、WEBサイト『TABI LABO』で「「今、ツラい」が自由になる! 12星座占い」の連載中。
Illustration: Momoko Ono Edit:Karin Ohira