●じゃあ、シロウトに毛が生えた新人女優は何を歌えばいい?
演技力に自信がないなら、「自分の女としての魅力を出していく」というのは、ひとつの演技の方向性としてアリね。ただ、男がいう「素顔が好き」イコール「素顔に見えるメイク顔が好きなだけ」っていうのと同じで、いい年した女がなんの計算もなく、素でかわいいと思ってもらおうなんざ、100万年早いのね。そこは大塚愛だの、西野カナだの、JUJUだのを狙いすまして精一杯、歌うの。いい? イントロが流れたら、あなたはその歌の主人公、主演女優なの。役になりきって、カラオケ画面の字幕に流れる、言葉のひとつひとつを真心込めて歌えばいいの。それだけで、女になれるから。あなたは女。女は女優。
●舞台での経験がモノをいう。
ちょっとちょっとちょっとちょっと~。なんで、自分の席に座ったまま、ウーロンハイのグラスが倒れないようにって気にしながら歌っちゃうわけ? いい? わかってる? わたくしはホステス時代にカメラマンの先生がお客さまにいらしたから、よくわかってるけれど、女優っていうのはね、顔でライト受けなきゃダメなのよ。カラオケって、素人の女に本物のスポットライトが当たる希少な機会でしょ? なのに、なんで? なんで、舞台に立たないの? 顔どころか、アンタに丸ごとスポットライト当たってないし。それって全然、女優じゃないから! 女優たるもの、舞台があれば立つ! なければ立って、そこをステージにする! 全身に光を浴びこそ、女優なのよ。それにね、若いうちはいいけど、長く女優をやっていきたいなら、舞台経験は必要。どんどん、上がって経験積まなきゃ!
●キャリアの積み方 ~大女優への道~
まず、大塚愛だのJUJUだので女の魅力をアピールしたら、次は振り付けや怨念の込め方なんかの型がある伝統芸能系をなにか1曲でいいからマスター。そのあとは‘女’と‘型’のレパートリーを増やしていくと。これを極めてもいいし、できれば、極端にギャップのある選曲で女優として脱皮を試みるのがおすすめね。水商売や花柳界の女って本当にそのへんの演出が上手で、いきなりサブちゃんの『祭』やマイケル・ジャクソンの『スリラー』とかめちゃめちゃ高いレベルでぶっこんでくるから、さすがよね。
そんなわけだから、まずはカラオケという舞台で、思いっきり演じてみてよ。