人生はいつだって夢芝居。演じるほどに華やぐの。いい?女は女優よ。目を腫らすまで泣いてブサイクになっても、演じている限りはスポットライトの当たる女優なの。そして、監督で脚本家で照明係で音響係なのよ。何ひとつ、わかっちゃいないアンタたちのために銀座アガリのわたくしが、女の生き方をとことん、教えてあげるわよ。
その6
「デートでの‘おご・らりるれろ’5段活用が上手な、女優になる 第1回」
いい?アンタたちったら、まったくわかってない!ってのが、このコラムのお約束文句なんだけど、わたくし自身「どういう演技がいい女優として正解なのか、はっきり言えない」のがデートにおける、おごり・おごられ問題。
「デートでは男がおごって当たり前」という考えが、かつては当たり前だったのだけれど、それって男女間の収入格差が大きかった時代の話なのね。それが1985年に男女雇用機会均等法が制定され、徐々にその差が小さくなっていき、稼いでる女性が増えてきた頃から、その「当たり前」が通用しなくなってしまった。
当時、高校生ですでにデート・デビューを果たしている今の50代以上は男女とも「男がおごって当たり前」派が圧倒的多数だと思うの。で、そんな年上のお兄さんたちとデートしてきた40代後半の女性も、その世代の常識を受け継いでいると。その一方で40代後半男性の間では、男女雇用機会均等法による男女平等思想が広まっていて、30代、20代と世代が下がるにしたがい、男女平等=デートでワリカン傾向は強くなっていると。
そういう世代間における考え方の違いというだけなら、同世代の男性とはワリカン。50代以上とならおごってもらえばOK。みたいにはっきり言えて、楽なのよ。それが言えないのがそこにセクハラ、パワハラを含むもろもろのコンプライアンス問題が絡んでくるうえに、つい見栄を張っちゃう問題、ケチ問題、タカリ問題、礼儀問題などが複雑に絡んでくるから。しかも、ひとそれぞれ感覚が違うことから、ひとつの型にはめて「こう演技すれば大丈夫ですよ」とは申し上げられないわけ。