人生はいつだって夢芝居。演じるほどに華やぐの。いい?女は女優よ。目を腫らすまで泣いてブサイクになっても、演じている限りはスポットライトの当たる女優なの。そして、監督で脚本家で照明係で音響係なのよ。何ひとつ、わかっちゃいないアンタたちのために銀座アガリのわたくしが、女の生き方をとことん、教えてあげるわよ。
その7
「バレンタインでキメる、女優になる」
●甘いもの嫌いの男に、おせんべいは正解?
いい?アンタたちったら、まったくわかってない!バレンタインだけど、お目当の彼は甘いものが好きじゃないから、おせんべいあげようだなんて思っちゃいないでしょうね?怖いわ〜、これだからシロウトは。そんなことしたら、昔のわたくしみたいにがっかりされちゃうわよ!
●もらえなかったら…男はビクビクしている。
毎年2月14日のバレンタインデーっていうのは世界的に愛を誓う日。カップルにとってはもちろん、独り身の男女にとっても聖なる日なわけ。だって、一応、日本では女子が男子に告白しやすい日ってことで長年やってきたわけだから、片思いを打ち明けるには絶好の日だし、特に男にとっては「もらえるかな」「もらえなかったらどうしよう」って朝から晩までドキドキしっぱなしの特別な1日になるわけよ。もちろん、女優として、腕の見せ所満載の1日なわけ。
●男はチョコを期待している。
そこで、あんた甘いもの絶対食べないけど、毎晩飲んでるから「ビールのお供に」って、高級百貨店の地下で選びに選んだ、わたくしだって食べたいわ!っていうめちゃくちゃおいしそうな高級えびせん詰め合わせセットをあげたのに、「チョコレートじゃない」っていう理由でがっかりされるのも当たり前なわけ。だって、彼曰く「えびせんもらっても、チョコレートじゃないから数に入らない」って。「甘いものが好きじゃない彼を気遣って、えびせんあげるわたくし、いい女!」っていう設定で、脚本書いて、演出して、見事に演じきった舞台が、たったひとりの観客にダメ出しされたときの衝撃ときたら……。