人生はいつだって夢芝居。演じるほどに華やぐの。いい?女は女優よ。目を腫らすまで泣いてブサイクになっても、演じている限りはスポットライトの当たる女優なの。そして、監督で脚本家で照明係で音響係なのよ。何ひとつ、わかっちゃいないアンタたちのために銀座アガリのわたくしが、女の生き方をとことん、教えてあげるわよ。
その9
「スマートにお酒を嗜む、女優になる 〜心構え編〜」
●最初のひと口から流されない、女優としての強い意志。
いい? アンタたちったら、まったくわかってない!お酒っていうのはねぇ、流されて飲むもんじゃないの。いい? 飲み会で「みんな、ビールでいいよね?」って聞かれても、自分が飲みたくなかったら「私はハイボールで」って好きなものを頼んでいいの。なぜって? 最初のひと口から流されずに、自分の芸風を出していく。それが女優だから。
いい? アンタたちに思い出して欲しいの。お酒にまつわる数々の失敗を。新しい服にリバースしたあの夜。二日酔いでガンガンする頭でやっとの思いでやり遂げたプレゼン。好きでもないどころか、顔すら覚えてない男の家で目覚めてしまったこと。全部、流されて飲んだ結果じゃない? まあ、そうやって、たゆたうように流されて生きるのもまた、人生なんだけど。でも、自分の人生を少しでも美しき女優として演じていきたいなら、もてる時間をできる限りコントロールしなきゃ。その手始めが、流されず、自分の意志で選びとったお酒での乾杯ってわけ。えー許されるの? と心配するひともいるだろうけど、大丈夫。お酒って、種類によっても合う合わないの体質があるから、そこを突っ込まれることは少ないはず。ただ、みんなが千円のビールなのに、自分だけ3千円のシャンパン飲むのは、浮くよね(笑)。そのへんは、自分で考えて。
●ホステスという役柄なら気合いで、酔わない!
不思議なんだけど、ホステスを演じてた頃は同じ量飲んでも酔わなかったんだよね〜。確かに酔っ払い予防のサプリも飲んでたけれど、やっぱり職場という気合い、お客さまに失礼があっちゃいけないという意気込みの成せる技だったんだろうな〜。ただ、あるときシャンパンを飲みすぎたのか、家に帰って着物の帯をほどくと同時にブブブブブーーーーッ!!!って、ものすごく大きくて長いおならが出ちゃったことが。ホステス役は酔うのも我慢だけど、おならとゲップも我慢だから(笑)。男に脱がされたときじゃなくて、本当によかった。でも、あんなにスッキリした気分になったこともなかったな〜。
●シロウトが酔わないために。
でも、シロウトになった途端、弱くなっちゃったよね。酔ってもいい安心感がそうさせるんだろうなぁ。売り上げも関係ないし。でも、ベロベロになるのはシロウトだってかっこ悪い。やっぱり女優としては、酒に流されない女を演じないと。というわけで、あらかじめ「今日は何杯」と決めて飲む。グラスが空いたら、もう1杯という飲み方だとキリがないでしょ? だから、ペースもグイグイいくんじゃなく、ゆっくり。