19 Mar 2019
人生、演じてナンボ!元銀座ホステス藤島佑雪の女優塾 vol.9「スマートにお酒を嗜む、女優になる 〜心構え編〜」

人生はいつだって夢芝居。演じるほどに華やぐの。いい?女は女優よ。目を腫らすまで泣いてブサイクになっても、演じている限りはスポットライトの当たる女優なの。そして、監督で脚本家で照明係で音響係なのよ。何ひとつ、わかっちゃいないアンタたちのために銀座アガリのわたくしが、女の生き方をとことん、教えてあげるわよ。
その9
「スマートにお酒を嗜む、女優になる 〜心構え編〜」
●最初のひと口から流されない、女優としての強い意志。
いい? アンタたちったら、まったくわかってない!お酒っていうのはねぇ、流されて飲むもんじゃないの。いい? 飲み会で「みんな、ビールでいいよね?」って聞かれても、自分が飲みたくなかったら「私はハイボールで」って好きなものを頼んでいいの。なぜって? 最初のひと口から流されずに、自分の芸風を出していく。それが女優だから。
いい? アンタたちに思い出して欲しいの。お酒にまつわる数々の失敗を。新しい服にリバースしたあの夜。二日酔いでガンガンする頭でやっとの思いでやり遂げたプレゼン。好きでもないどころか、顔すら覚えてない男の家で目覚めてしまったこと。全部、流されて飲んだ結果じゃない? まあ、そうやって、たゆたうように流されて生きるのもまた、人生なんだけど。でも、自分の人生を少しでも美しき女優として演じていきたいなら、もてる時間をできる限りコントロールしなきゃ。その手始めが、流されず、自分の意志で選びとったお酒での乾杯ってわけ。えー許されるの? と心配するひともいるだろうけど、大丈夫。お酒って、種類によっても合う合わないの体質があるから、そこを突っ込まれることは少ないはず。ただ、みんなが千円のビールなのに、自分だけ3千円のシャンパン飲むのは、浮くよね(笑)。そのへんは、自分で考えて。
●ホステスという役柄なら気合いで、酔わない!
不思議なんだけど、ホステスを演じてた頃は同じ量飲んでも酔わなかったんだよね〜。確かに酔っ払い予防のサプリも飲んでたけれど、やっぱり職場という気合い、お客さまに失礼があっちゃいけないという意気込みの成せる技だったんだろうな〜。ただ、あるときシャンパンを飲みすぎたのか、家に帰って着物の帯をほどくと同時にブブブブブーーーーッ!!!って、ものすごく大きくて長いおならが出ちゃったことが。ホステス役は酔うのも我慢だけど、おならとゲップも我慢だから(笑)。男に脱がされたときじゃなくて、本当によかった。でも、あんなにスッキリした気分になったこともなかったな〜。
●シロウトが酔わないために。
でも、シロウトになった途端、弱くなっちゃったよね。酔ってもいい安心感がそうさせるんだろうなぁ。売り上げも関係ないし。でも、ベロベロになるのはシロウトだってかっこ悪い。やっぱり女優としては、酒に流されない女を演じないと。というわけで、あらかじめ「今日は何杯」と決めて飲む。グラスが空いたら、もう1杯という飲み方だとキリがないでしょ? だから、ペースもグイグイいくんじゃなく、ゆっくり。
●女優にはマネジャー目線も必要。
もうひとつ、最初から決めておくといいのは、帰る時間。平日の飲みなら、明日のことを考えるのはもちろんだけど、週末も「女優としてどうあるべきか」を考えてお尻の時間を決めておくといい。特にまだ付き合ってない男とのデートでは、どんなにいいなと思っていても、いや、むしろ、いいなと思っているからこそ、終電よりも早めに帰るようにして「節操のある女」を演じるのがおすすめ。ここでは主演、監督、脚本に加えてマネジャーの役目もしっかり務めて。
お酒の飲み方を自制するということは、つまりは色も含めた欲望のコントロールにもなる。スマートにお酒を嗜む演技ができるようになれば、女優人生が変わるわよ!
藤島佑雪 ふじしま ゆうせつ
占い師・開運アドバイザー。元銀座のクラブホステス。著書『元銀座ホステスが教える強運!美女になる方法』(文藝春秋社刊)。『an・an web』にてお悩み相談「クラブ佑雪」、『食ベログマガジン』で「出世ごはん」の連載中。
Illustration: Momoko Ono Edit:Karin Ohira