女子高生が「ワシ」と言った。夕方の地下鉄銀座線での出来事だった。マスクしている会話だから聞き間違い?いや確かに一人称は「ワシ」。そう、素知らぬ顔をして岡山はあなたのそばに、すぐ隣にいるのです。全9回の連載で、岡山の魅力をお届け。
レトロモダンな美観地区、日本のエーゲ海“牛窓”etc. 美しい観光地にうっとり。岡山県の魅力に迫る!vol.5
歴史ある美しき世界
白壁の蔵屋敷が並ぶ倉敷の美観地区や、岡山に生まれ、その人生を美の探求に尽くした竹久夢二。そして、オリーブ畑から瀬戸内海の島々をのぞむ牛窓の景観など。「吉備の国」として古代から栄えた岡山には、情緒あふれる豊かな文化、名勝が数々ある。
美観地区で時間旅行
柳が揺れる倉敷川沿いの街並み。レトロモダンな美観地区は、江戸幕府の直轄領(天領)の風情を残す、県内随一の人気観光スポット。ツタが絡まる赤煉瓦が印象的なアイビースクエアは、代官所跡地に建てられた旧倉敷紡績所を利用した施設。名喫茶「エル・グレコ」や暮らしの雑貨店「倉敷意匠アチブランチ」など、周辺は見どころ満載。
日本のエーゲ海、牛窓へ
南東部に位置する牛窓は高台に2000本が育つオリーブ園が広がり、眼下には島々が浮かぶ瀬戸内海をのぞむ絶好のロケーション。ヨットハーバーから夕凪を眺めるもよし、“日本のエーゲ海”はなかなかどうしてダテではない。東京・広尾から移転したイタリアン「acca」があるのもこの地。カフェを併設するギャラリー 「御茶屋跡」もぜひ訪れてみたい空間だ。
瀬戸の青を映す倉敷ガラス
岡山といえば備前焼が有名だが、近年になって評価されている民藝が倉敷ガラスだ。創設者は小谷眞三。手吹きの全工程を1人で仕上げる職人技術は世界的にも珍しく、その青は「小谷ブルー」と称され愛されている。写真は跡を継ぐ小谷栄次の作品より。
大正浪漫の旗手、竹久夢二
画家であり詩人、今でいうグラフィックデザイナーとしても才能を発揮した竹久夢二は、瀬戸内市邑久町の出身。上京してからも「すがりつきたいほど懐かしい」と故郷への郷愁を幾度も詩に綴っている。生家は記念館として公開されているほか、後楽園の外苑には「夢二郷土美術館 本館」があり日本最大のコレクションを所蔵する。
竹久夢二[立田姫] 夢二郷土美術館蔵
「夢二郷土美術館 本館」住所: 岡山県岡山市中区浜2-1-32
Tel: 086-271-1000
営業時間: 9:00〜17:00
定休日: 月(祝・振替休日の場合開館・翌休)・年末年始
入館料: ¥800
*記事は2020年10月12日時点の情報です。現在は内容や価格等が変更となっている場合があります。