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恋愛部長「大人の恋の歩き方」vol.28 別れても好きな人?

恋愛部長「大人の恋の歩き方」vol.28 別れても好きな人?

前回のお話… vol.27 恋のサイレントキラー、PMS。


皆さん、忘れられない男っていますか?
別れたのにまだ好き。いつまでも好き。墓場に持っていくぐらいに好き。それはね、小説や映画の中ではありますよね。ロマンチックですよね。
私も若い頃すったもんだの末に別れたけどまだ未練たらたらだった元彼に向けて、ロマンチックな詩を(日記帳に)書いたことがありますよ。私は、一生変わらずあなたを好き。って。
確かに忘れてないですね。彼のことは。うん、あれだけ苦しんだし、辛かったし、忘れるのに時間かかったし、今でも何かの拍子に会う羽目になると、思いっきり意識します。

でもそれは、今でも好きってことじゃ、全然ない。すみません、過去の言葉は嘘でした。彼のことはもう全然好きじゃない。面白いくらいに、彼の「現在」はどうでもいい。
今幸せに暮らしていると聞けば「あぁよかったね」って思うし、感慨深くはあるけど、別にそれが今の自分と何か関係があるとも思えない。それは今自分が幸せに暮らしているからであって、もしそうじゃなかったらそう思えないのかも?とは思うけど、どうなんでしょうね。
独身時代でも、元彼に会って「あれ?そんな素敵じゃないな。なんで彼をそこまで好きだったのかな」って思うことがあっても、彼が幸せそうで胸が痛い…みたいなことはなかった。やっぱり、どこかで過去のことだと踏ん切りがついてるってことなんでしょうね。

女性の恋は、上書き式ってよく言います。男性がフォルダ保存型なのに対して。
男性は、過去の恋をいつまでもしつこく掘り出して、見返して、「あぁ俺を好きになってくれた女だ。今でも俺を好きでいてくれるかな?」なんてしみじみしたりする。過去の恋は、彼らにとって、何かキラキラした過去の宝物なんでしょうね。
でも、だからと言って、その恋が現在進行形かというと別にそんなことはなく、現時点での恋人なり奥さんが一番には決まってるんですよ。
ただ、昔の恋人は別腹というか。昔の恋もやっぱり切なく美しく思い返して、それだけで白い飯が何杯も食える、それが男。過去の女、過去の恋が、大好き。
昔知り合いの男性が「死ぬときは、自分のことを好きだった女の子を枕元に全員呼んで、見送ってもらいながら逝きたい」とかわけわからないこと言ってて噴き出しましたが、なんだかその言葉に、男性の過去の恋に対する情熱が表れている気がします。
一方女性はというと、復縁を狙っているあたりまでは、元彼も確実な「現在進行形」の恋ですが、いったん自分の中で踏ん切りがつくと、そこで恋はいったん終わります。そして、別の恋で上書きされていく。これ以上好きになれる人がいないって思ったその人を越えて、またそれ以上に好きになる人が出てくる。
忘れられない部分があるとしたら、それは過去の自分への後悔や、わだかまり、苦しかったが故の、恨みに似た執着だと思う。
「あんなにずっと苦しめられた彼だから、今私が幸せに暮らしていることを見て少しは『惜しかったな』って思ってほしい」っていう感覚ですかね。

それはつまり、過去への復讐の気持ちなんですよね。過去に苦しめられた彼への復讐だし、過去に失敗した自分への復讐。それは「今も好き」なんではなくて、ただ単に「今も忘れられない」ってことだと思います。そう、「忘れられない男」なのは事実だけど、それはイコール「今も好きな男」ではない。

ごくまれに、恋愛相談の中で「今も彼以上に好きな人ができない」っていう人がいます。でもそういう人はよくよく話を聞くと、ある彼氏以降はまともに恋をしてなかったりする。何かと好きだった彼と比べて、「彼とはここがちがう」「彼はもっとこうだったのに」と好きになるのをやめていたり、彼よりずっと素敵な人と付き合おうと勇み足になりすぎて、結局誰とも付き合えてなかったり。
たまたま上書きする機会がないせいで、最後の男である彼が「忘れられない男」「今でも一番好きな男」になっちゃってるんですよね。好きな気持ちの実態はないのに、便宜上、「一番好きな男」の位置が守られているというか。
あるいは、ご本人があまりに彼に対する執着が強くて、自分でその中に閉じこもっている場合もあります。自分でわざと他人を寄せ付けなくしている。

そういう人はいったん、「忘れられない」という状態と、「好き」という気持ちを別個のものだと認識したほうが良いです。「忘れられない」から、「今でも好き」なわけではない。ただ単に、その男との記憶が強烈で忘れられないだけなんですよ。

もちろん今でもその好きだった人と日常的に接点があり、「もしかしてまだ彼も私を好き?」と思わせられている状況下なら、話は別ですけど。そういう場合は、まだ現在進行形の「好き」である可能性はあります。
でも、そうではなく。ある程度時間と距離を置けている場合、いつまでも好きでい続けることはむしろ難しい。人間は身近で接する人間に関心が移っていく生き物だから、妄想だけで「好き」という感情を育て続けることは不可能です。
だからね、今もしも、「あの人を忘れられなくて死ぬほど辛い」と思ってる人がいたら、それはその恋がいつか別の恋に上書きされるまでの辛抱だよ、と言いたい。

確かに、その恋は忘れられない恋だと思うけど、ずっと彼を好きなわけではないから安心して。きっと別の人にまた恋をして、幸せになれるから。
そして、もし過去の彼がちょっかい出してきて、古傷が痛んで困っている人がいたら。それは男特有の、しょうもない「過去の恋を振り返るロマンチストな俺」に付き合わされてるだけだから、心おきなく冷たくあしらいましょう(爆)。
ここで変に「焼けぼっくいに火が!?」なんてときめいても、あまりいい結果にはならないと思いますよ。どうせ男性にとっては一過性の感傷でしかないんですから。こっちだけ過去の恋を「現在進行形」に変えると、ややこしいことになります。

過去は過去。いつまでも引きずっていないで、もっといい恋で上書きしましょう。過去の自分にはその彼が最高だったかもしれないし、当時はお互いその通りだったのでしょうが、人生が進んで、まったく違う自分に変化している今、選ぶべきはその人ではない。絶対に。
恋が上書きされるのは、成長し続ける人生の必然なのです。

恋愛部長 れんあいぶちょう

20代に恋愛で失敗を繰り返したことから、様々な独自の恋愛理論を編み出し、2008年から恋愛ブログ「恋はいばら道」をスタート。過去の失敗談を披露したり、多くの人の恋愛相談に乗ったりしている。私生活では、38歳で留学を機に当時結婚を考えていた彼氏と別れ、40歳で知り合った現在の夫と結婚、出産。現在は、広告代理店で働くかたわら、1男1女を子育て中。著書に、『28歳からの必勝ルール~恋愛部長の恋のムチ』『にっちもさっちもいかない恋がうまくいく本』(大和出版)。

HP: http://renaibucho.com
NOTE(恋愛相談): https://note.mu/renaibucho

カシワイ

装画や挿絵などのイラストレーションや漫画を描く。リイド社より単行本『107号室通信』を刊行。

HP: sankakukeixyz.wixsite.com/kfkx
instagram: @kfkx_
twitter: @kfkx_

Text: Renaibucho Cover Illustration: KASHIWAI

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