08 May 2019
欲しい!NASAのロゴ茶碗。ユーモア満載の新しい「茶の湯」の世界etc.5月号G’s REVIEW

[Tea House] 2011 ©Tom Sachs Courtesy of Tomio Koyama Gallery
プラダのロゴを模して作られた便器、エルメスのロゴが描かれた包装紙で包んだマクドナルドのセット。「ハンドメイドのレディメイド」とも評されるトム・サックスの作品は、現代のアイコンをユーモアたっぷりに表現する。今回は、日本の文化に深いリスペクトを向ける彼がティーセレモニー (茶会、茶道)に取り組む。NASAのロゴ付き茶碗や工事現場にある小屋のようなお茶室など、サックスの視点から見る、新しい日本の世界観を堪能しよう。
【トム・サックス ティーセレモニー】
期間: 開催中〜6月23日(日)
場所: 東京オペラシティ アートギャラリー
▶︎http://www.operacity.jp/ag/exh220/
『The Nature Rules 自然国家 Dreaming of Earth Project』
崔在銀 [hatred melts like snow] 2019 ©Kim Taedong(参考画像) Courtesy of the artist
「非武装地帯(DMZ)」と呼ばれる、停戦ラインの北緯38度線から南北2kmずつの帯状のエリア。Korean War休戦後、65年あまりの歳月を経て、人が立ち入らないこの地域には豊かな生態系が生まれたという。人間の都合によって図らずも生まれたこの場所に生息する命と人とが共に生きる方法はあるか? 76年より東京に住むアーティスト・崔在銀の思いに共感するアーティストや建築家などが考える構想を発表する。
【The Nature Rules 自然国家 Dreaming of Earth Project】
期間: 開催中〜7月28日(日)
場所: 原美術館
▶︎https://www.haramuseum.or.jp/jp/hara/exhibition/433/
『荒木悠展: LE SOUVENIRS DU JAPON ニッポンノミヤゲ』
荒木悠[LOST HIGHWAY (Sweded)]2018, installation view, Volvo Studio Aoyama, Tokyo
世界各国で活動し、映画の賞を受賞するなど、国際的にも高く評価されるアーティスト、荒木悠。新作映像では、明治期の日本を旅したフランス人作家による紀行文『秋の日本』を素材に、東洋と西洋の「まなざし」の違い、100年以上も前と今の日本の風景のズレをユーモラスに浮かび上がらせる。地域、ジェンダー、階層、世代、時代……。時空を超えてさまざまな差異が交錯する本作は、現代の「他者理解」や「寛容」を私たちに問いかける。
【荒木悠展: LE SOUVENIRS DU JAPON ニッポンノミヤゲ】
期間: 開催中〜6月23日(日)
場所: 資生堂ギャラリー
▶︎https://www.shiseidogroup.jp/gallery/exhibition/index.html
Recommender: 柴原聡子
設計事務所や美術館勤務を経て編集者に。建築やアートを中心に、編集・執筆・マネージメントを行う。
GINZA2019年5月号掲載