29 May 2019
レゲエ×ジャズ⁉︎異色の天才新人クロード・フォンテーヌをチェック 6月号G’s REVIEW

『レガシー! レガシー!』
ジャミーラ・ウッズ
同郷のチャンス・ザ・ラッパーらとともに、ここ数年シカゴの音楽シーンを盛り上げているR&Bシンガーのジャミーラ・ウッズ。幼い頃から聖歌隊として歌い、デュオでの活動を経て2016年に発表したソロデビューアルバムがその年のベストに選出されるなど大絶賛。ルーツにあるヒップホップ、ギターロックの要素も盛りこみ多面的なアイデンティティを追求した枠に収まらない新作は、肌になじむ感覚があり心地よい。
(ビッグ・ナッシング/ウルトラ・ヴァイヴ)
『クロード・フォンテーヌ』
クロード・フォンテーヌ
ヴィンテージ感の漂うレゲエ・サウンドに乗せて囁くように歌うのはフランス名を持つアメリカ人シンガー、クロード・フォンテーヌ。一見すると異色の取り合わせだが、これが見事なマッチング。長年レゲエやジャズシーンを支えてきた伝説的なミュージシャンたちが、彼女の才能と情熱に惚れこみ脇をしっかり固めるデビュー作。レトロとモダンを兼ね備えた独特の雰囲気と甘美な歌声で、まるでお酒に酔ったような想定外の不思議な高揚感。
(P-VINE RECORDS)
『STORY』
never young beach
2014年に結成され、今やすっかり音楽シーンに欠かせないバンドとなった通称ネバヤン。海外のインディ・ロック・サウンドと懐に飛び込んでくる日本語フォークの融合は、独創的なのに人なつこい。4枚目の本作は、ギターのアンサンブルやコーラスワークでより情緒豊かにコクが増した印象。今回も互いのセンスに共鳴し合う写真家の奥山由之がアートワークの撮影を担当し、作品に愛嬌を添える。日本の夏はネバヤンがいなくちゃ始まらない。
(SPEEDSTAR RECORDS)
Recommender: 奥浜レイラ
海外フェスが好きな音楽・映画系MC。今年はNYのガバナーズとシカゴのロラパルーザ行きを計画中。
GINZA2019年6月号掲載