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読書でクールダウン!懐かしい夏の記憶を辿る『アイスの旅』etc. 7月号G’s REVIEW

読書でクールダウン!懐かしい夏の記憶を辿る『アイスの旅』etc. 7月号G’s REVIEW

『アイスの旅』

『アイスの旅』甲斐みのり

(甲斐みのり /グラフィック社/¥1,600)

アイスクリームの記憶をたどってみれば、そこにはきっと甘やかで優しい空気が漂っている。幼い日々も、青春のいくつもの瞬間も、大人になった今でも。ずっと近くにあり続ける幸せの形を集めたガイドブック。青森・十和田の色あざやかな屋台アイスにはじまり、旅先や東京で出合うアイス、日本全国の“地元アイス”コレクションまでその数200以上。著者の《決して溶けることのない、懐かしくて心うれしい記憶》と一緒に本の中を旅したい。

 

『セミ』

『セミ』ショーン・タン

(ショーン・タン /岸本佐知子訳/河出書房新社/¥1,800)

灰色に塗り込められた空間にセミがいる。毎日働きづめでどうにかこうにか生きている。スーツを着こみ、4本の腕でデータを入力。葉っぱを食べて隙間の住処でひっそり暮らし、大きな大きな眼でニンゲンが蠢く世界を見つめている。そして訪れる別れの時間の静けさとのけぞるほどの衝撃!ニンゲンの近くで生きる変な生き物たちを描き続けるオーストラリア人作家の最新絵本。この夏、セミに優しくする人が増えるかもしれません。

 

『キュー』

『キュー』上田岳弘

(上田岳弘/新潮社/¥2,300)

急、旧、九、求と漢字1文字の章題が9つ連なる物語に休みはない。「シンギュラリティ」をテーマに、第二次世界大戦前の満州から700年後の世界まで時間と空間を超越しながら、記憶と記録と予言によって何重写しにもなっていく《私》を描き出す。スケールの壮大さも不可思議さも、触れることができそうなほどに濃密で力強い言葉の配置によってすんなり体に入ってくる。文芸誌『新潮』と並行してYahoo!Japan特設サイトでも公開され話題になった長編小説。

Recommender: 鳥澤 光

ライター、編集者。開催中の『ショーン・タンの世界展 どこでもないどこかへ』も必見です!!

GINZA2019年7月号掲載

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