30 Jun 2019
フェス好きMCが選ぶ、夕涼みにぴったりなサウンド 7月号G’s REVIEW

『オリジン』
ジョーダン・ラカイ
豪ブリスベンで育ち、10代から作品を発表。ロンドンに移住後、ディスクロージャーの大ヒット作に人気シンガーたちと並んで客演したことで、その名を一躍世界に知らしめることに。ソウル・ミュージックを自分流に進化させ、新時代のソングライターとして今や重要人物になった彼の最新作は、洗練されたトラックとレイヤードされた優美な歌声で、高級チョコレートが溶けていくのを味わうような幸福な時間をもたらしてくれる。
(Beat Records / NINJA TUNE)
『オリジナルズ』
プリンス
2016年、57歳の若さで急逝した音楽界の革命家プリンス。40年間ヒット作を発表し続けるかたわら、力を注いだのが若いアーティストの育成。バングルスやシーラ・Eなど各アーティストの音楽人生において転機となった楽曲を提供した彼自身のオリジナル・ヴァージョンを集めたのが本作。心に訴えるメロディ、色艶のあるギター、哀愁を帯びた歌声の魅力はちっとも色褪せない。世を去ってもなお存在が大きくなる彼の才能に触れてほしい。
(ワーナーミュージック・ジャパン)
『ヘルプ・アス・ストレンジャー』
ザ・ラカンターズ
元ホワイト・ストライプスのジャック・ホワイト率いるザ・ラカンターズの骨太なグルーヴがたまらない3作目。ブルース・ロックというと硬質で泥臭いイメージかもしれないが、挑発的なギター、そこにピアノが絡むことで、叙情的かつエッジィな色気ダダ漏れのサウンドに。ロックのかっこいいところを煮詰めたようなたくましさが最高。UNDERCOVER PRODUCTIONが手がけ、荒井俊哉が撮影した収録曲のMVも要チェック。
(ビッグ・ナッシング / ウルトラ・ヴァイヴ)
Recommender: 奥浜レイラ
海外フェスが好きな音楽・映画系MC。今年はNYのガバナーズとシカゴのロラパルーザ行きを計画中。
GINZA2019年7月号掲載