『アートのお値段』
『アートのお値段』
自身の父、建築家ルイス・カーンの生涯に迫る『マイ・アーキテクト』の監督、ナサニエル・カーンの新作ドキュメンタリー。芸術家の息子である彼が追うのは、芸術とお金の関係。需要と供給の関係で、ジェフ・クーンズ作品しかり、現代アートの価格は驚異的に高騰中。かつての不動産のように投資のターゲットとなったアート市場を取り巻く、アーティスト、オークショナー、コレクター、美術商、批評家の声から、観る者に価値の本質を問う。
8月17日(土)より、ユーロスペースほかにて全国順次公開。
『火口のふたり』
直木賞作家・白石一文の同名原作を、名脚本家・荒井晴彦が監督で映画化。秋田で結婚式を間近に控えた直子と、式に合わせて帰郷した従兄弟の賢治。かつて恋人同士だったふたりは、婚約者が出張から戻るまでの5日間、青春時代に戻ったかのように欲望のままにセックスし、食べて、おしゃべりする。柄本佑と瀧内公美のほぼふたり芝居である。すべきが優先されがちな社会で、ただ身体がしたいことを聞く、というふたりの姿が美しい光を放って残る。
8月23日(金)より、新宿武蔵野館ほかにて全国公開。©2019「火口のふたり」製作委員会 R18+
NY在住、身長140cm、現在91歳。とびきりキュートなおばあちゃん、“ドクター・ルース”は、現役のセックス・セラピスト。女性が性の話をするのは完全にタブーだった80年代前半に、リアルな性をあっけらかんと語るルースに、全米が虜になった。LGBTQや女性たちのために社会を切り開いてきた彼女の人生を、ホロコーストで家族を失った幼少期から綴るドキュメンタリー。愛し、愛されるために行動することを、ユーモアをもって教えてくれる。
8月30日(金)より、新宿ピカデリーほかにて全国公開。
ライター、編集者。『ストレンジャー・シングス』シーズン3のアイス部隊、萌えました。