10 Nov 2019
金沢21世紀美術館の15年の歩みがここに!今週行きたいアート展etc.11月号G’s REVIEW

エルネスト・ネト[身体・宇宙船・精神]2004*現在地[1]のみ展示 Photo: FUKUNAGA Kazuo ©Ernesto NETO
今年、開館15周年を迎えた金沢21世紀美術館。節目を記念した本展は、今ここを「現在地」として、時代とともに歩んでいく作家たちの世界への眼差しから、私たちの未来を見つめていく。コレクションを中心に、2期に分かれて構成される内容は、世界で活躍するアーティストの作品も目白押しで超豪華。エル・アナツイのタペストリーを思わせる大型のインスタレーションなど、過去の企画展で話題となった作品も多く展示される。これのためだけに金沢行き、アリです。
【現在地: 未来の地図を描くために】
期間: [1]開催中〜12月19日(木)、[2]10月12日(土)〜2020年4月12日(日)
場所: 金沢21世紀美術館
三筋壺 平安時代末期 高25.5cm 丹波古陶館蔵
「最も日本らしき品、渋さの極みを語る品、貧しさの冨を示す品」。日本民藝館の創設者、柳宗悦は、晩年、古丹波についてそう評している。一部の茶陶は名声を博していた丹波焼だが、柳の眼差しは、それまで粗雑な品とされていた日常の器に向けられた。民藝運動の初期から晩年まで、積極的に丹波焼を蒐集した柳。本展では、日本民藝館所蔵の丹波焼コレクションから約100点、丹波古陶館の優品約50点を一堂に展観し、古丹波の魅力に迫る。
須田一政『GANKOTOSHI』より
60年代、寺山修司が主宰する演劇実験室「天井桟敷」の専属カメラマンとなり、以降『風姿花伝』など数々の作品を発表し続けた須田一政。「日々のスナップのなかで、街中にある眼の画像が気になってついつい撮ってしまう。(中略)やはりこれらには何かがあると密かに睨んでいる」。須田がこう語った“眼”をテーマにまとめた写真集『GANKOTOSHI』は、今年3月に逝去した須田が生前に望んだものだ。その出版を記念し、貴重なヴィンテージ・プリントが展示される。
【GANKOTOSHI】
期間: 開催中〜12月21日(土)
場所: AKIO NAGASAWA GALLERY GINZA
Recommender: 柴原聡子
アート・建築を中心に活動する編集者・ライター。芸術の秋到来で行きたい展示がいっぱい。
GINZA2019年11月号掲載