YouTuber出身監督からSNS時代のティーンに贈る『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』etc.10月号G’s REVIEW
口コミで4館から1084館に拡大全米公開した、スタジオ「A24」の青春映画。主人公ケイラは学校に居場所がなく、家でも反抗期。SNSを駆使してクールな友達とつながろうとするが、スマホのブルーライトに照らされるニキビ面の現実の私とフィルター越しの理想の私とのギャップに悩む。人気コメディアンのボー・バーナムの初監督作。デジタルネイティブでなくても、誰もが通過したことのある自意識との闘いの日々は、痛々しくて愛おしい。
ヒューマントラストシネマ有楽町、シネクイントほか全国公開中。©2018 A24 DISTRIBUTION, LLC
『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』の製作チーム「GDH 559」が、森絵都原作小説『カラフル』をタイの現代社会に置き換えて映画化。自殺した高校生ミンの肉体に“ホームステイ”することになったボクが、与えられた100日以内にミンの自殺の原因を突き止めるべく奔走する。タイで社会現象を巻き起こしたホラー 『心霊写真』のパークプム・ウォンプムが手がける、スリリングな青春ファンタジー。キャストらの制服姿が眩しすぎて倒れそうになる。
10月5日(土)より新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開。©2018 GDH 559 CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED
『ぼくのエリ 200歳の少女』の原作者ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストの短編をイラン系デンマーク人の新鋭監督アリ・アッバシが原作者との共同脚本で映像化。醜い容姿から孤独を抱えるも、人並み外れた嗅覚を持つ税関職員のティーナが、不気味な男ヴォーレと惹かれ合い、事件に巻き込まれていく。善悪、自然と人間、性別、違いの境目とは……? と正解のない思考の旅が止まらなくなる、ユニークかつ普遍的で、衝撃的に美しい作品。
10月11日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開。 ©Meta_Spark&Karnfilm_AB_2018
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ライター・編集者。『ビッグ・リトル・ライズ』2のメリル・ストリープの怪演、夢に出そうです。