01 Oct 2019
30代に突入した今なにをするべきか? 自問を込めたアルバム『ジェイミー』etc.10月号G’s REVIEW

『クローズ・イット・クワイエットリー』
フランキー・コスモス
NY生まれのシンガーソングライター、グレタ・クライン率いるフランキー・コスモス。父はオスカー俳優ケヴィン・クライン、母は『グレムリン』のヒロイン役でもおなじみの女優フィービー・ケイツと芸能一家で育ちながら、自然体でインディ然とした佇まいが親しみやすくソーキュート。1〜2分と短い楽曲が特徴のひとつだが、軽快なメロディとスウィートな歌声から彼女の描く景色が見えてくる。個性炸裂なMVもグッド。
(ビッグ・ナッシング / ウルトラ・ヴァイヴ)
『サムシング・ライク・ア・ウォー』
カインドネス
2012年のデビュー以来、シーンの流れを作ってきたインディの貴公子カインドネス待望の4作目。完成までの5年間にプロデューサーや映像監督、モデルなど多才な活躍を見せていたが、そんな中で生まれたのがジャンルを超えたサンプリングやレイヤーの美しいヴォーカルなど、音楽性も感情も豊かな本作。親交の深いケレラやロビン、サンファら多種多様なスターが参加しながら貫かれる美学。その鮮やかな手腕に惚れ直す。
(Beat Records / Female Energy)
『ジェイミー』
ブリタニー・ハワード
グラミーで4部門を受賞、来日公演も完売が相次ぐなどセールス・評価ともにインディ・ロック界を代表する存在となったアラバマ・シェイクス。そのシンガー兼ギタリスト、ブリタニー・ハワードの初ソロ作品。13歳で亡くなった姉の名前をタイトルに「30代に突入した今なにをするべきか?」という自問に従って、アメリカ南部で性的マイノリティに属しながら自分が自分でいるために胸の内を明かす歌声は心の深いところに届く。
(ソニー・ミュージックレーベルズ)
Recommender: 奥浜レイラ
音楽・映画まわりのMC。駆け回った夏フェスも落ち着き、12月のU2来日が待ち遠しいです。
GINZA2019年10月号掲載