グラフィック界の若手クリエイターが、個展開催の権利をかけて競い合う公募展、第22回グラフィック「1_WALL」展が2020年3月17日(火)から4月3日(金)までギャラリー〈ガーディアン・ガーデン〉にて開催される。さて、6名の中からグランプリに輝くのは?
新進気鋭のクリエイター6名によるコンペティション
新しい表現を追求し続けるクリエイターたちが作品発表の場を求めて競い合う「1_WALL」は今回で22回目となる。ポートフォリオ審査による一次審査と、一対一で審査員と対話する二次審査を通過したファイナリスト6名が、一人一壁面を使って作品を発表する。会期中の3月23日(月)に開催される最終審査会はライブ配信で一般公開され、ファイナリストによるプレゼンテーション後、審査員による議論を経てグランプリが決定する。グランプリ受賞者には、1年後の個展開催の権利と、個展制作費30万円が贈られる。

若き才能と個性の競演
キャンバスにアクリル絵具と墨でドーナッツを描くおおだいらまこ。三角チャコや膠などを用い、おんどりを描いた小林喜一郎。「縁なき衆生は度し難し」という世界観を表現したちぇんしげ。制作過程の間に生じるノイズの様なテクスチャを重ねて植物を描く水上雄太。色鉛筆や鉛筆で生き物を描いた森ひなた。ポップなキャラクターを描くWAN_TAN。壁一面に描かれた圧巻の作品とグラフィック界を担う若手クリエイターたちのパッションを会場で確かめて。
『美味しいドーナッツは誰のもの?』おおだいらまこーMako Oodairaー1995年生まれ。尾道市立大学大学院美術研究科在籍。「作品と鑑賞空間の関係をテーマとし、主に絵画作品を制作。既存の枠組みにとらわれずに、絵画が空間に対して行いうるアプローチの可能性を探っている。」
『年賀状だけの関係が終わる。』小林喜一郎ーKiichiro Kobayashiー1995年生まれ。武蔵野美術大学油絵学科油絵専攻卒業。「年賀状だけの関係が終わる。昨日いじめた若いおんどりがくよくよするなよと鳴く。僕は閉ざされた道に別れを告げ新しい道を行く。」
『《五円》なき衆生は度し難し』ちぇんしげーChen Shigeー1993年生まれ。 武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース在籍。「五円玉水石招き猫流れ星彗星色々語への不信甲乙間にずれ有り不確定性曖昧さ余白もしくはご縁?うむ 晋三の財布内に常に五円玉が入っているのかしら?」
『PLANTS 』水上雄太ーYuta Mizukamiー1997年生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン学科在籍。「 綺麗だけが魅力じゃない 、植物が持っている異常な生命力をノイズで表現。現代の同質化されたデジタル表現に向けた私のささやかなカウンター。」
『あつめる』森ひなたーHinata Moriー1995年生まれ。 女子美術大学短期大学部造形学科創造デザインコースメディア卒業。「そこから地鳴りが聞こえてくるような、地の深く下でずっと燃えているもののような、揺るがない、圧倒的なものに対する憧れ。越えていく、それが道になる絵。」
『DOPAMINE!!』WAN_TAN ーWan Tanー1998年生まれ。 京都造形芸術大学情報デザイン学科イラストレーションコース在籍。「一度完成した作品を、ビジュアルとしてのPOWERやSPEED感を高めるために再構成した。」
グラフィック部門審査員
上西祐理ーYuri Uenishiーアートディレクター / グラフィックデザイナー 1987年生まれ。東京都出身。2010年多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業、同年電通入社。現在第5CRP局勤務。今までの仕事に、世界卓球2015 ポスター / テレビ東京、Laforet GRAN BAZAR 2019 SUMMER / Laforet など。趣味は旅と雪山登山。旅は40カ国達成。
菊地敦己ーAtsuki Kikuchiーグラフィックデザイナー 1974年東京生まれ。武蔵野美術大学彫刻科中退。2000年ブルーマーク設立、2011年より個人事務所。ブランド計画、ロゴデザイン、サイン計画、エディトリアルデザインなどを手掛ける。とくに美術、ファッション、建築に関わる仕事が多い。また「BOOK PEAK」を主宰しアートブックの企画・出版を行う。
都築潤ーJun Tsuzukiーイラストレーター 1962年東京生まれ。武蔵野美術大学卒業。1980年代から2000年代までにグラフィック系コンペや広告賞で多数受賞。2010年「ニューエイドス」、2013年「都築潤×中ザワヒデキ」を展示開催。2015年「ニューエイドス以降 /検証1980-2000」開講。『日本イラストレーション史』監修執筆。NHK高校講座「美術1」監修出演。 jti.ne.jp
長崎訓子ーKuniko Nagasakiーイラストレーター 1970年東京生まれ。多摩美術大学染織デザイン科卒業後、イラストレーターとして書籍の装画や挿絵、映画に関するエッセイ、漫画の執筆など多方面で活動中。装画に『武士道シックスティーン』『億男』など。女子美術大学ヴィジュアルデザイン専攻准教授。
保坂健二朗ーKenjiro Hosakaー東京国立近代美術館主任研究員 1976年生まれ。企画した主な展覧会に「フランシス・ベーコン展」(2013)、「声ノマ全身詩人、吉増剛造展」(2016)、「日本の家1945年以降の建築と暮らし」(2017)など。『すばる』『疾駆』等に連載を持つ他、JAGDA年鑑 (2014年)や『gggBooks 95 服部一成』に論考を寄稿。 Photo by Keizo Kioku
【第22回グラフィック「1_WALL」展】
開催期間: 2020年3月17日(火)〜4月3日(金)11:00〜19:00 ※日曜・祝日休館、入場無料
公開最終審査会: 2020年3月23日(月)18:00〜21:00 ※予約制。2月21日(金)から受付開始。詳細はWEBを参照。
会場: ガーディアン・ガーデン 中央区銀座7-3-5 ヒューリック銀座7丁目ビル B1F
問い合わせ: 03-6835-2270 http://rcc.recruit.co.jp/gg/
※新型コロナウイルス感染症が拡大している状況を受けて、参加者の皆様の健康と安全を第一に考慮し、公開最終審査会の開催方法を変更いたします。ご予約いただいた方を対象に、審査の様子をライブ配信いたします。会場にお越しいただくことはできませんのでご了承ください。
Text&Edit: Hiroko Chihara