『BEFORE LOVE CAME TO KILL US』
ジェシー・レイエズ
2018年にエミネムの楽曲にフィーチャーされ、今年はグラミー賞の最優秀アーバン・コンテンポラリー部門に自身のEPがノミネートと、ますますスポットを浴びるトロント出身のジェシー・レイエズが満を持してデビュー。音楽業界で権力を行使する“門番”を告発した曲で女性蔑視について歌うなど、これまでも改革者の一面を覗かせていた彼女の叫びとクリエイティビティが見事に結びつき開花。今年を代表する一作となりそう。
(Universal International)
『スルー・ウォーター』
ラプスリー
大きな影響を与えられたとビリー・アイリッシュが名前を挙げるなど、エレクトロニック指向のシンガーソングライターとして新時代を切り開いたラプスリー。19歳でデビュー、世界ツアーのあと燃え尽きたと感じ小休止し大学で地理学を勉強。4年ぶりの本アルバムは、父が話した気候変動と水の関係をサンプリングしたオープニングから全編にわたって人生を水の流れに重ね、本来の自分を回復するためのプロセスを美しいメロディで綴った成長譚。
(Beat Records / XL Recordings)
『ニュー・ミー、セイム・アス』
リトル・ドラゴン
日系のシンガー、ユキミ・ナガノ率いるスウェーデンの4人組。2014年の作品がグラミー賞にノミネートされて以来オファーが絶えず、ゴリラズやフライング・ロータス、マック・ミラーなど革新的なアーティストとの共演を経て、バンドの壁を崩し独自のスタイルを探求。エレクトロ、R&B、ポップなどジャンルを連ねても説明不足な無二の個性。その核となるのはユキミの包容力のある歌声で、耳を心地よくマッサージされるようなマジカルな体験。
(Beat Records / NINJA TUNE)