19 Aug 2020
G’s ART REVIEW アジア地域を拠点とする参加アーティストが多数! 第7回となる『ヨコハマトリエンナーレ2020』etc.

『ヨコハマトリエンナーレ2020
「AFTERGLOW—光の破片をつかまえる」』
アリュアーイ・プリダン(武玉玲)[満開]2019 ©伊誕創藝視界企業社, Photo by王言度
第7回となるヨコトリは、インドのアーティスト3名によるラクス・メディア・コレクティヴをアーティスティック・ディレクターに迎え、時空を超える思考の旅へと誘う。今回は、会場と国内外で開催してきた「エピソード」と呼ぶイベントの2部からなり、そこに、思考の出発点となるソースが加わる構成。参加アーティストは60組を超えアジア地域を拠点とする作家が多いことも特徴だ。他者を排除するのではなく共存する生き方をいかにして実現するのか。一緒に考えてみては?
【ヨコハマトリエンナーレ2020 「AFTERGLOW—光の破片をつかまえる」】
期間: 開催中〜10月11日(日)
場所: 横浜美術館、プロット48
マルセル・ブロイヤー [ネスト・テーブルB9-B9c]1929 東京国立近代美術館
1919年ドイツの古都ヴァイマールに開校した造形学校バウハウスは、1933年に閉鎖されるまでのわずか14年間で造形教育に革新をもたらし、その影響は今に及ぶ。バウハウスでは、ワシリー・カンディンスキー、パウル・クレーなど名だたる芸術家たちが教師として指導にあたったが、とりわけ、学生が最初に受ける基礎教育の授業はユニークなものだった。本展では、この基礎教育を中心に各内容を紹介するとともに、その一端を体験できる。伝説となった教育を垣間見てみよう。
【開校100年 きたれ、バウハウス —造形教育の基礎—】
期間: 開催中〜9月6日(日)
場所: 東京ステーションギャラリー/日時指定予約制
『ジャム・セッション 石橋財団コレクション×鴻池朋子
鴻池朋子 ちゅうがえり』
[皮トンビ]瀬戸内国際芸術祭2019 展示風景
アーティゾン美術館の新シリーズ、「ジャム・セッション」展。その第1回に迎えられた鴻池朋子は、既存の手法を超え、狩猟採集という人間の文化の「原型」を再考し、芸術の根源的な問い直しを続けてきた。展示は、新作の円形の大襖絵、約1年間、山に設置した変化が見どころの巨大な[皮トンビ]、熊や狼の毛皮といった素材がぶら下がる森の小径など、野生の気配が立ち込めるなかに、クールベやシスレーの名品が置かれる。きっと、視点が「ちゅうがえり」するのを感じるだろう。
【ジャム・セッション 石橋財団コレクション×鴻池朋子
鴻池朋子 ちゅうがえり】
期間: 開催中〜10月25日(日)
場所: アーティゾン美術館6階展示室/日時指定予約制
▶︎https://www.artizon.museum/collection-museum/exhibition/detail/2
Recommender: 柴原聡子
建築とアートの編集者、ライター。無事開催が決まった、これまでとは違うアプローチのヨコトリに注目。
GINZA2020年8月号掲載