17 Jan 2021
G’s MUSIC REVIEW アークティック・モンキーズのチャリティを目的とした公演のライヴ・アルバム etc.

1月のエンタメをレビュー!GINZA編集部がレコメンドする新譜をご紹介。
『ライヴ・アット・ザ・ロイヤル・アルバート・ホール』
アークティック・モンキーズ
イギリスを代表するロックンロール・バンド、アークティック・モンキーズがライヴ・アルバムを発表。2018年にチャリティを目的として行った公演をパッケージしたもので、今作の収益はすべて新型ウイルスの蔓延で活動の継続が危ぶまれる慈善団体War Child UKに寄付され、紛争の影響を受ける地域の子どもたちの支援にあてられる。代表曲を網羅したベスト盤のような選曲で、今や貴重となったライヴの空気を味わえる。
(SPACE SHOWER MUSIC)
『ビカミング』
カマシ・ワシントン
ジャズ・シーンを代表するサックス奏者で作曲家のカマシ・ワシントンが、ミシェル・オバマのベストセラー回顧録『マイ・ストーリー』の大規模なプロモーション・ツアーに密着したNetflixのドキュメンタリーに寄せ、初めて手がけた映画音楽作品。書き下ろしの新曲や過去の楽曲を、信頼のおけるスペシャリストを集め新たな名演として再録。包容力のあるウェストコースト・ジャズ・サウンドが、慈愛に満ちたミシェルの人柄に寄り添う。
(Beat Records / Young Turks)
『Face to Face』
雨のパレード
昨年3人編成となって、バンドの第二章を迎えた九州出身の雨のパレード。アナログシンセやビートマシーンなどを取り入れ自分たちらしいサウンドを探究するうち、日本のポップスの現在を語る上で欠かせないバンドに。ライヴの中止を余儀なくされ、“面と向かって”音楽を届ける場所を奪われた2020年の終わり。遠く眩しい景色を眺めて、SNSの中で尖っていく他人の感情に触れてあふれた正直な言葉が、離れた人と人とをもう一度つないでいく。
(SPEEDSTAR RECORDS)
Recommender: 奥浜レイラ
音楽・映画まわりのMC。アーティストとリスナーの絶対的な関係は、肉体がなくなっても永遠ですよね。
GINZA2021年1月号掲載