5月のエンタメをレビュー!GINZA編集部がレコメンドする映画をご紹介。
G’s FILM REVIEW 本との大切な記憶が鮮やかに蘇る『ブックセラーズ』etc.
『ブックセラーズ』
社会のデジタル化が加速し、紙媒体が消えゆくなか、ブックセラーたちの置かれる状況も大きく変わった。D・W・ヤング監督が追うのは、世界最大規模のNYブックフェアに集う有名ブックディーラー、希少本コレクター、古書店のオーナーなど、本を愛してやまない老若男女。作家のフラン・レボウィッツも登場。本を歩き回って狩る楽しみや、今や高騰するアート化した希少本の魅力を語る人々を見ていると、本との大切な記憶が鮮やかに蘇る。
ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか全国公開中。
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『くれなずめ』
高校時代につるんでいた6人の仲間たちが、友人の結婚披露宴で余興をするために5年ぶりに集まって、思い出を振り返る。2017年、松居大悟によるオリジナルの舞台劇を観劇したときは、冴えない男同士のわちゃわちゃホモソーシャルモノかと思いきや、想像の斜め上をいくとんでもなく純粋でバカバカしいものを観た、という印象だった。映画版は個性的な役者も加わり、イマジナリーとリアリティどちらの側面もパワーアップし、不覚にも泣いて笑った。
テアトル新宿ほかにて全国公開中。
©2020「くれなずめ」製作委員会
『スプリング・ブレイカーズ』以来7年ぶりとなるハーモニー・コリンの新作。その間、アート制作にボートで釣りと人生を謳歌していた彼が、常に酔っばらっている人たちからインスパイアされて生まれただけあり、誰をも論理的に否定することのないコメディだ。パーティ三昧の日々を送る元天才詩人、ムーンドッグに扮するのは、51歳のマシュー・マコノヒー。ハイディ・ビヴェンスの衣装に包まれた彼のエピキュリアンっぷり、最高です。
キノシネマ横浜みなとみらい、立川髙島屋S.C.館ほか全国順次公開中。
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*新型コロナウイルス感染拡大抑制のため、休館中の会場もあります。来場の際は各劇場の公式サイトをご確認ください。
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Recommender: 小川知子
ライター。『シン・エヴァンゲリオン劇場版 』を観て、生まれてきてくれてありがとうという気持ちに。