8月のエンタメをレビュー!GINZA編集部がレコメンドする展覧会をご紹介。
G’s ART REVIEW 日本では23年ぶりの回顧展となる『生誕150年記念 モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて』etc.
『ファッション イン ジャパン 1945-2020 —流行と社会』
もんぺからサステイナブルな近未来まで、戦後の日本ファッション史をたどる、世界初の大規模展覧会。衣服、写真、雑誌、映像といった豊富な資料を通して、各時代のファッションを社会現象とともに紐解いていく。ポイントは、その軌跡をデザイナーサイドと時代のムーヴメントを生み出すこともあった消費者サイドの双方向から捉えていること。80年代のDCブランド、90年代の渋谷・原宿、00年代のKawaiiなど、繰り返し参照される各時代の魅力を感じる機会になりそう。
【ファッション イン ジャパン 1945-2020 —流行と社会】
ピート・モンドリアン[大きな赤の色面、黄、黒、灰、青色のコンポジション]
1921 デン・ハーグ美術館 Kunstmuseum Den Haag
モンドリアンと言えば、垂直水平の線と、三原色、無彩色で描かれた[コンポジション]が思い浮かぶだろう。近代絵画の転換点ともなったこのシリーズは、今もなお重要であり続けている。彼は抽象絵画の先駆者として知られるが、実はそこに至るまでには多く風景を描いていた。日本では23年ぶりの回顧展となる本展では、初期の風景画から試行錯誤を経て[コンポジション]へと至った画家の軌跡をたどる。あわせて展示されるデ・ステイルの中心作家たちの作品にも注目。
【生誕150年記念 モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて】
尾上菊五郎 一枚 明治8(1875)年頃 サントリー美術館
誰しも、ある作品を見た時、「えっ?」「おっ!」など言葉にならない「心のざわめき」を感じた経験があるはず。その瞬間的な反応を、作品鑑賞の大切なきっかけと捉えた展覧会。サントリー美術館の名品から珍品、秘宝まで、「心がざわつく」ような展示方法や作品を通して「作品を見たい!」という気持ちを高めていく。「うらうらする」「ばらばらする」などユニークな章構成だから、日本美術初心者もリラックスして味わえる。質の高い作品の、新たな楽しみ方を発見してみよう。
【サントリー美術館 開館60周年記念展 ざわつく日本美術】
*展示期間、内容などは諸事情により変更する場合があります。詳細は各展公式サイトをご参照ください。
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Recommender: 柴原聡子
建築とアートの編集者。夏に向けて展覧会もバリエーション豊か。六本木で、はしごもよいかも?