19 Jan 2022
G’s ART REVIEW フィンランドデザインの歩みを紹介『ザ・フィンランドデザイン展』etc.

1月のエンタメをレビュー!GINZA編集部がレコメンドする展覧会をご紹介。
本展ビジュアルA(オイヴァ・トイッカ《[ポムポム]花瓶》
セッポ・サヴェス《アンニカ・リマラ[リンヤヴィーッタ]ドレス
ヴオッコ・ヌルメスニエミ[ガッレリア]テキスタイルデザイン》
アルヴァ・アアルト《[サヴォイ]花瓶》)
1930年代から70年代にかけて次々と登場したデザイナー、建築家、アーティストたちの活躍によって確立された、フィンランドデザイン。そのインスピレーションの源は、この国に広がる豊かな自然だった。本展は、ヘルシンキ市立美術館(HAM)監修のもと、マリメッコやフィンレイソンのテキスタイル、カイ・フランクのガラス工芸の他、陶磁器や家具などのプロダクトとともに、同時代の絵画などもあわせて展示。今も多くの人を魅了し続けるフィンランドデザインの歩みを紹介する。
【『ザ・フィンランドデザイン展 自然が宿るライフスタイル』】
期間:開催中〜2022年1月30日(日)*一部日程のみオンラインによる入場日時予約が必要
場所:Bunkamura ザ・ミュージアム
『生誕160年記念 グランマ・モーゼス展 素敵な100年人生』
アンナ・メアリー・ロバートソン・“グランマ”・モーゼス[シュガリング・オフ]1955 個人蔵(ギャラリー・セント・エティエンヌ、ニューヨーク寄託)
©2021, Grandma Moses Properties Co., NY
モーゼスおばあさん(グランマ・モーゼス)の愛称で親しまれ、アメリカ人なら誰もが知る国民的画家、アンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼス。無名の農婦だった彼女は、70代で本格的に絵を描き始め、80歳の時ニューヨークで初めての個展を開催。101歳でこの世を去るまで精力的に活動し、世界から注目を集めた。本展は、最初期から晩年までの作品、愛用品や関連資料など約130点を公開。自然や素朴な暮らしを愛し、素敵な100年を生きたグランマの絵で、心を温めて。
潘逸舟[無題]2006 ©Ishu Han, Courtesy of ANOMALY
アーティスト長島有里枝は、「フェミニスト」を自称することを避けつつも、常に男性中心主義的な価値観への問題提起を作品にしてきた。本展は、その長島をゲストキュレーターに迎え、1990年代以降に活動を始めた10作家の作品について、フェミニズムの視点から新たな解釈を試みる。「半端なフェミニストのわたしが、『こっち側の人』と勝手にみなした9名の作家に声をかけ」(長島のステイトメントより)集まった作家たちの問いを、フレッシュな視点で見直す機会になりそう。
【ぎこちない会話への対応策 —第三波フェミニズムの視点で】
期間: 開催中〜2022年3月13日(日)*日時指定制
場所:金沢21世紀美術館
*展示期間、内容などは諸事情により変更する場合があります。詳細は各展公式サイトをご参照ください。
Recommender: 柴原聡子
建築とアートの編集者。厳しくも美しい、自然とともに生きる日々を謳歌する2展覧会に注目。
GINZA2022年1月号掲載