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G’s BOOK REVIEW 小説と紀行エッセイ、両方の魅力が味わえる『旅書簡集 ゆきあってしあさって』etc.

G’s BOOK REVIEW  小説と紀行エッセイ、両方の魅力が味わえる『旅書簡集 ゆきあってしあさって』etc.

4月のエンタメをレビュー!GINZA編集部がレコメンドする新刊をご紹介。


『ひとりでカラカサさしてゆく』
江國香織

『皆のあらばしり』 乗代雄介(新潮社/¥1,760)

大晦日、高齢の男女3人がホテルで自死。困惑をもてあます彼らの親族や友人知人は、やがてゆるいつながりを持ち始める。死によって束ねられた奇妙な人間関係は、日常に思いがけない光をもたらして──人生に毅然と線引きをした3人の「直前の数時間」と、遺された者たちの現在が交互に綴られ、何事にも終わりがあるという事実の安らかさと尊さを伝える。デンマークのデザイナーの作品を用いた装幀が内容と呼応していて素敵。

 

『異常【アノマリー】』
エルヴェ・ル・テリエ

G’s BOOK REVIEW『異常【アノマリー】』 エルヴェ・ル・テリエ

(加藤かおり訳/早川書房/¥2,970)

殺し屋、映像編集者、弁護士、少女。年齢も生業もさまざまな人々の生活の様相が冒頭から短く連ねられる。彼らに共通しているのは、激しい乱気流に襲われたパリ発NY行きのエールフランス機に乗っていたこと。その「接点」が生んだ「事象」の正体が明かされる中盤、驚きに思わず声が出てしまう。アクロバティックな展開と丁寧な心理描写の両方で読者を引っ張っていく、フランスのベストセラー。

『旅書簡集 ゆきあってしあさって』
高山羽根子、酉島伝法、倉田タカシ

G’s BOOK REVIEW『旅書簡集 ゆきあってしあさって』 高山羽根子、酉島伝法、倉田タカシ

(東京創元社/¥1,760)

3人の作家が架空の旅先から手紙や絵葉書を送り合う。家々が海面に浮かんでいる島、「ほふり」が祝祭化された村、宿泊客に煉瓦を積ませ客室を作らせる泥の町──「どこかで落ち合おうというふんわりとした約束」でつながる、それぞれの旅の結末は? 添えられる詳細なイラストや写真が遊びの真剣度を伝え、世界を創り上げる作家の想像力の果てしなさを見せつける。小説と紀行エッセイ、両方の魅力が味わえるお得な一冊。

Recommender: 北村浩子

フリーアナウンサー、ライター。FMヨコハマの「books A to Z」のパーソナリティを14年間務める。

GINZA2022年4月号掲載

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