北海道の真ん中に、東京から約2時間で行ける“写真の町”があるのをご存知だろうか?その町の名は、東川町。1985年に「写真の町宣言」を行ってから今日まで、国際写真フェスティバルや全国の高校写真部が参加する大会の開催、美しい景観の町づくりなど、写真文化を盛り上げるべく町を挙げて取り組んできた。
現在、町のシンボルでもある「東川町文化ギャラリー」にて、東京を拠点に第一線で活躍する6名のフォトグラファーが参加するグループ展「6STORIES-東川町を写した写真家たち-」が開催中だ。
展示メンバーは、横浪修、石田 真澄、Takako Noel、藤田一浩、水谷吉法、川島小鳥の6人。それぞれが異なる季節の東川町に滞在し、四季折々の風景を交えながら作品を撮り下ろした。東京でも一堂に介することはなかなかない、ファッション・アート界で引く手数多のフォトグラファーの作品が集結する貴重な機会。だが、予期せぬ緊急事態宣言の延長も重なり、見に行くことのできない写真ファンたちも多いはず…なので、今回は展示の中身をダイジェストでお届け。
本展は、横浪 修さんが撮り下ろした「農家の人々」から始まる。東川の名産である米やトマト、とうもろこしを育てる農家の親子や、養鶏場の夫婦など、地元の家族を被写体に迎えた力強いポートレートが並ぶ。普段は広告や雑誌でプロのモデルを撮影する機会の多い横浪さん。今回、赤ちゃんからおじいさんまで年齢も幅広い老若男女と真正面から向き合い撮影した作品は、どれも人と自然の生命力で満ちあふれている。