新しいのも古いのも、デジタルもアコースティックも、ジャンルも問わず、気の向くままに雑多に聴くのが90年代流。そのアティテュードを表す4選。
🎨CULTURE
90’s 気分を盛り上げるディスクレビュー Alton McClain & Destiny,iri,etc…
Alton McClain & Destiny (Polydor)
使い古されたテーマに歌詞の曲「It Must Be Love」だが、それがエクスタシーにまでに到達するディスコ・カルチャーの特権的素晴らしさ。アルトン・マクライン&ディスティニーの短命な輝きに相応しいクラシック。
iri / Groove it (Victor)
デビュー・アルバムにして2010年代の音楽を決定づける傑作。感性と巧みなヴォキャブラリーが交差する歌詞は21世紀の都市空間とダンスフロアを表象する。支えるのは素晴らしい歌声。アレンジ完璧。必聴。
The Clipse / Grindin’ (Arista)
ファレル・ウィリアムスがプロデュースしたミニマルで隙間だらけの異能トラックの上でプシャ・Tとノー・マリスが「俺は近所のプッシャー まるでサブ・ウーハー」といったリリックをかます。これがヒップホップ。
Vainqueur – Lyot
Original Mix
(No label)
1980年代終わりに始まったレア・グルーヴとヒップホップに続き、テクノは90年代のクラブ・カルチャーの公式なサウンド・トラックとなった。攻撃的なリミックスが当時人気だが、ここではオリジナルを。
Selection&Text: Hiroshi Egaitsu