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「次世代を創り出す才女たち」第5回 アーティスト 中島あかね

「次世代を創り出す才女たち」第5回 アーティスト 中島あかね

いつの時代も“IT”を作り出すのは、才能あふれるニュージェネレーション。今回は先駆者たちのお墨付き! 責任&自信をもって、次なるシーンを切り開く才女たちを紹介します。

Profile

中島あかね

アーティスト

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「手を動かすことによって、言葉にならない“何か”が形にならないかなと思って、ドローイングを描き始めました。線を引いて閉じる、その中に色を塗るというシンプルなルールだけを決めて描き続けていたら、かなりの点数ができたんです」と話す23歳の中島あかね。「何ものでもない何かを描く」というテーマのもとドローイング制作を始め、武蔵野美術大学在学中の2014年、第11回『グラフィック「1_WALL(ワン ウォール)」』でグランプリを受賞した。「自分が見たことのないものを描くのが目的。手を動かしてよく考える。続けていくうちに、意識的なのか無意識的なのか、形の傾向ができてきました」。そんな彼女の作業場所には淡い色で浮かび上がる“何か”がずらっと。一日中絵を描いた日などは、頭を整理するために日記をつけているという。「制作と同時に頭でもいろいろ考えているので、文にして残しています。日記を書くのもけっこう面白くて、今後は言葉を使って、何か新しいことができないかなと思っています」

 

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[Untitled]2015年

 

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[Untitled]2015年

9月24日〜10月23日、 山梨の「ギャラリートラックス」にて個展を開催予定。

▲推薦▲

角田 純

去年自分の一番好きな画家のサイ・トゥオンブリー展(原美術館)を友人と見に行った時に、その1人が中島さんの同級生で、銀座で個展をやっているというので一緒に見に行きました。トゥオンブリーを見たすぐ後なのでどうかなと思いながら行ったのですが、久々にびっくりしてほんとに感動しました。まず最初の印象はきれいだなと思いました。独特の浮遊しているようなさまざま形態が、淡い淡い色でできてます。近づいて見るとその形態は震えるように微振動している鉛筆の線で描かれていて、その中がきれいに塗られています。形態のモチーフは内臓や細胞や海藻を連想させる抽象ですが、グロテスクな雰囲気がありながら透明感があり、そのアンバランスさが魅力的です。若くしてオリジナリティのある世界ができていますが、どうなっていくかとても楽しみ。自信をもって制作を続けていってほしいと思います。

 

角田 純

1960年生まれ。アートディレクター/美術作家。広告、出版業界にて多数のデザイン、アートディレクションを手がける。2000年頃からは、絵画やコラージュ、シルクスクリーンなどの作品発表や画集の出版など、美術作家としての活動にも精力的に取り組む。

 

 

Photo:  Ayumi Yamamoto (P.92-94),
Text&Edit: Sakiko Fukuhara

2016年9月号掲載

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