<韓流アイドル>と聞いて、音楽に少なからず造詣の深いGINZA読者のみなさまは何を思い浮かべますか?ポップスやヒップホップ、R&Bなど、主に欧米でヒットしているフレーズを絶妙にミックスした<K-POP>に一目置いている方もいらっしゃるかもしれませんね。完璧なまでに整えられた麗しいルックス、一糸乱れぬ集団ダンス、驚くほどカラフルなファッションやヘアスタイルでエキゾチックなムードに華麗な変身を遂げる姿なんかも目にとっても楽しい、世界中で今いちばん注目されているアジア発の最強エンタテインメントのひとつです。
(日本ではマスコミが報道自主規制気味ですが涙)K-POPは着々と成長を遂げ、そのマーケットは成熟期へと突入しています。彼らはミュージックステーションに出なくても、YouTubeやTwitter、Instagram、Vyrl、V LIVEなどのSNSを駆使して世界中にコンテンツを発信し、着々とファンを増やしてきました。ちょっぴり複雑すぎる“大人の事情”を颯爽とかわし、圧倒的な歌唱力、パフォーマンス力、プリンスや女神のごときビジュアル、そしてチャーミングなナイスキャラクターで、世界中のヤングのハートをがっつり掴んで離さない、韓国発のアーティストたちが、いま続々と誕生しているんです。その台風の目ともいえる存在が、今回ご紹介する<BLACKPINK(ブラックピンク)>。わずか二十歳そこそこの素敵ガール4人によるグループです。左からJISOO(ジス)ちゃん、JENNIE(ジェニ)ちゃん、ROSE(ロゼ)ちゃん、LISA(リサ)ちゃんです。
<BLACKPINK>を語るにあたり、単なる女性韓流アイドルグループとして片手間にご紹介することはできません。彼女たちは、ポップアイコン不在のピンチを迎えたこの地球に舞い降りた、私たちを導いてくれるジャンヌ・ダルクなのです。
彼女たちの先輩に<2NE1(トゥエニワン)>というグループがいました。韓国ははっきりいって圧倒的男性優位社会です。女性アイドルに求められる理想の女性像は“(俺の)彼女として自慢できるコ”、もっというならば“(俺の)嫁にしたいコ”。しかし、韓国の女性は本当に強くてたくましい! 彼女たちは心の底から求めていました、抑圧された自分たちの心を解き放ってくれる、わかりやすく強烈な存在感を放つアイコンを。そこにチャンピオンベルトやトゲトゲ金属バットを担いでドーーーーンと登場したのが<2NE1>です。
「♩ネガ チーチャラガー♩」というフレーズが耳に残る名曲『I AM THE BEST』は、K-POPファンならずとも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか? しかし、そんな2NE1が、2016年11月末をもって電撃解散。韓国のアイドルは事務所との期間限定契約を結んで活動します。それが最長で7年に設定されていることから“7年めのジンクス(=どんなに人気を博したグループであっても、7年めの解散や脱退が多い)”ともいわれています。2016~17年はそのような節目を迎えるグループが多く、そのなかでもとくに2NE1の解散は、モードガールズに大きなショックを与えました。
さらに、4Minutes、WONDER GIRLS、そしてSISTARといった<ガールクラッシュ>ムーブメントを牽引していたチームが解散によってほぼいなくなり、強い女性像をリードしてくれるアイコンたちは壊滅状態に陥ってしまったのです。あっちを向いてもこっちを向いても(男子がいかにもうっとりしそうな)胸やおへそやヒップを強調した服を着て、パンチラスレスレの振付で健気に歌い踊る、いかにも従順そうな可愛コちゃん的ドルばかり(もちろん、裏で糸を引いているのは男たちです)。
また、仕事でも芸能活動でも、日本では“長く続けることはいいこと”とされますが(石の上にも3年、っていいますものね)、かの国ではそうでもないみたい。アイドルの寿命はなんと3年といわれているそうです。女の子の場合、たった3年の間に、一生愛して養ってくれる旦那or彼氏を見つけるか、女優やアーティストへと方向転換するか、アパレルや美容・飲食など、自分が働かなくてもお金が回るビジネスをスタートさせるか。歌や踊りが大好きな場合はソロになるという手もありますが、たったひとりで歌って踊るには、完璧な美貌に歌唱力にパフォーマンス力etc.、これまでよりもっと高く要求されて、そのままチームを続けるよりも圧倒的に大変! 体力やお金がいくらあっても足りません。
話は戻りますが、ガールクラッシュのリーダーを欠いた状態で、新しいアイコンを求めてさびしくマーケットをさまようモードガールズたちの虚しさを救ってくれたのが<2NE1>そして<BIGBANG>の生みの親、YG ENTERTAINMENTの社長、ヤンサことヤン・ヒョンソク氏でした。大事に大事に温めてきた4つのぴっかぴかの卵を<BLACKPINK>としてデビューさせたのです。
<BLACKPINK>のYouTubeチャンネル総再生回数は9億回を超えています。さらに、最新曲『AS IF IT'S YOUR LAST』も、たった1日で1,000万回再生を突破(韓国グループアーティスト史上最速記録)。世の中の女子たちの期待がいかに大きいかを思い知らされる数字です。
そんな<BLACKPINK>の日本初パフォーマンスとなる「BLACKPINK PREMIUM DEBUT SHOWCASE」を日本武道館で拝見してきました。
武道館のキャパ総数である14,000席がみっちみち。ポップアイコンの登場を待ちわびる女子たちの熱気に、空調もまったく効果を成しません。なんと応募総数20万件超えの超スーパープレミアチケットだったんだとか。ていうか暑っ。女の子の体温って高いのねドキドキ★
そして、なんとなんと、彼女たちが実際にオーディエンスの目の前でパフォーマンスを披露するのはこの日が初めてだったんです!!! まさに“はじめてのおつかい”ならぬ“はじめてのコンサート”。その奇跡のような幕開けの瞬間の舞台として、韓国ではなく日本を選んでくれたありがたさに土下座でございます。さらに社長ヤン氏も客席に登場し、大きなどよめきが。彼女たちに掛ける期待の大きさが伺えます。
そしてBLINK(=ブリンク。BLACKPINKファンのニックネーム)のみなさまが待ちに待った開演。みなさんは、武道館がフューシャピンクに燃え上がる瞬間を見たことがありますか? 地鳴りのような少女たちのおたけびを聞いたことはありますか?
ご覧ください、この美しさ。大切なことなのでもう一度ご紹介します、左からジスちゃん、リサちゃん、ロゼちゃんそしてジェニちゃんです。顔面偏差値が高いだけではありませんよ? 普通、4人もいたらひとりくらい「顔はマァマァだけど歌またはダンスが上手いから」と、顔面以外のスキルを買われてグループへ抜擢される“才能枠”がいるのも確か。しかし彼女たちの場合、4人360°どこから見ても可愛い♡ 美しい♡♡ 髪サラッサラ♡♡♡ 「シャンプー何使ってるのーーーッ!?」と思わず叫ぶほどです。脚も細くて長すぎ、ウエスト位置高すぎるうえにキュッと締まりすぎ、でも二の腕もふくらはぎもほどよく筋肉がついていて引き締まっている。うーん、まさにアジアンガールズが目指すべき理想がここにある。そんな長い手足をブンブン振り回して歌い踊る美少女×4のド迫力が、我々オーディエンスに迫ってくるのです。てか、同じ女に生まれてごめん。でも同じ時代に生まれてきてくれてありがとう天使たち♡ たとえ酒が入った勢いでも彼女たちをチャラチャラ口説きに挑む男子がいたならば、その勇気を心から讃えたい気分です。
この日は、デビュー曲『BOOMBAYAH』『WHISTLE』をはじめ全6曲を披露。見ているこちらが手に汗握るような緊張した面持ちながら、堂々としたパフォーマンスで14,000人を大いに沸かせてくれました♡ くどいようですがもう一度おさらいしますと、左からジェニちゃん、リサちゃん、ジスちゃんそしてロゼちゃんです。ハイ、もう覚えましたね♡♡
新世代のファッションアイコンとしても既に活動をスタートさせている彼女たち。『ルージュ ディオール リキッド』とのコラボレーションリップが全国発売中です。今回のショーケースのメイクアップサポートもディオールによるもの。ディオールさま、実にグッジョブです! ちなみにわたくしはジェニ寄りのリサ推しなので、272 クラッシュ マット(リサカラー)を買いますとも、ええ。
日本デビュー作となるMINI ALBUM 『BLACKPINK』も絶賛発売中。8月30日(水)の発売直後から、オリコンデイリーCDアルバムランキング1位、iTunesアルバム総合チャートで2位、タワーレコード全店アルバム総合チャート1位と売上も絶好調でございます。公式サイトでは、今後のリリースやライブ情報が今も着々と更新中です。彼女たちの大爆走、絶対お見逃しなきように♪