『ドレス』
藤野可織
河出書房新社 ¥1,500
機械が意志を持つようになった時代。ドローン専用の保養所で働く菫が、彼らと秘めやかな関係を深めていく「テキサス、オクラホマ」。男を体内に吸収することで新しい命を宿す世界「マイ・ハート・イズ・ユアーズ」。表題作は、〈ドレスさん〉のアクセサリーに狂信する女たちの物語。纏うほど、人を恐ろしく異質のものへと変えていき…。愛しかったはずの誰かや確かな記憶を失い、見知らぬ場所にきてしまった者を描く全8編の奇想譚。
『たゆたえども沈まず』
原田マハ
幻冬舎 ¥1,600
19世紀末、パリの美術界に浮世絵を持ち込んだ画商の林忠正と助手・重吉。その頃、売れない画家のゴッホは、画廊に勤める弟・テオの家に転がり込んでいた。広重の[大はしあたけの夕立]とゴッホの[ジャガイモを食べる人々]に同じ才能を見出したテオ。重吉と親交を深めながら、忠正に兄の絵を売り込む機会をうかがう。ついにあの傑作が完成したとき、彼らは…。大規模巡回展や油絵アニメ映画公開などゴッホブームの中、壮絶な人生を描いたアート小説が誕生。
『猫の撮りセツ』
清水奈緒
エクスナレッジ ¥1,500
〈飾りたくなる写真を撮る〉をテーマに、愛猫を室内でかわいく撮影する方法を指南。目線が欲しい時はシンプルな形のものをゆっくり動かす。顔の一部を隠すと目が印象的になる。人見知りさんの緩んだ姿を撮りたければ下から狙え…。表情や構図の他、同じ物と一緒に写し続けることで成長記録を残す〈猫とインテリア〉など、小技も満載の5チャプター。日常に猫のいる自然を感じられる写真は、何気ない瞬間も実はすべて特別だったと気づかせてくれる。
ginzaのアシスタントがこの本を読んで、宇宙一かわいい(!?)猫写真にトライした記事はこちら