【TOP画像】小林エリカ 《わたしのトーチ》 2019年 Cプリント 54.9×36.7cm(各、47点組) 作家蔵©Erika Kobayashi Courtesy of Yutaka Kikutake Gallery 撮影:野川かさね
本展は、国内外で活躍する日本の現代美術家6名によるグループ展。参加する6名の作家は、表現方法も映像や写真を用いたインスタレーションをはじめとして多岐にわたる。これら作家に共通するのは、作品のうちに文学の要素が色濃く反映されていることだ。
国立新美術館の展示室はとにかく大きい。キャリアの異なる作家が出品しているとはいえ、若手・中堅作家も多い本展では、これほど大きな空間で彼らのインスタレーションを見られる機会も貴重だ。
「話しているのは誰 ? 現代美術に潜む文学」展 2019 年 国立新美術館展示風景 田村友一郎 Photo: Shu Nakagawa
冒頭は田村友一郎の大規模なインスタレーション。
壁に掛けられたアメリカの車のナンバープレート、壁の向こう側に再現された、模型を作りかけの設計事務所の様子。角を曲がると、開けた空間の床には、いくつものオール(船をこぐときのもの)が置かれていて、上部に英語のナレーションがついた映像が淡々と流れている。映像は、置かれたオブジェや空間のモチーフにも言及し、まるで言葉遊びの連想ゲームのようにストーリーを展開していく。
田村友一郎 《Sky Eyes》 2019年 ミクストメディア 作家蔵 ©Yuichiro Tamura