昭和の喫茶店を紹介しつつ、その店をイメージして聴きたくなる80年代の名曲を、80s好きライターの水原空気がレコメンド。Vol.1はロマンチックなスワンシューが人気の中板橋「白鳥」にて。
80年代好きライターの純喫茶巡りVol.1 スワンシューが人気の中板橋「白鳥」
中板橋「白鳥」
1966年のオープン以来、喫茶室のある洋菓子店として愛されるお店。スワンシューを出す店もいまやすっかり減ってしまったが、「白鳥」では無添加にこだわり、3階の工房で他の洋菓子と共に毎日手作りしている。
この店で聴きたい80年代の名曲
「Autumn Park」
松任谷由実
この店で聴きたい80年代の名曲は松任谷由実さんのアルバム『アラーム・ア・ラ・モード』から『Autumn Park』。ダジャレ?いえいえ。ロンドン北部の公園ハムステッド・ヒースにインスパイアされたこの曲。「オールを漕ぐ水の輪のきらめき映し出した向こう」という詞の続きには水鳥も登場。大サビでは「いつか生まれ変わり別の人になっても、あなたを探してる私を見つけて」と永遠の愛を誓う。
白いテーブルにスワンシューを置いて撮ると、まるで公園の森と湖のよう。ティーカップはボート?恋人同士、この店でスワンシューを食べれば来世でも結ばれるかも?
よく見ると壁には白樺の絵が。初代店主のご友人の作品だそう。
内装のそこかしこに感じる”森”。
もしやと思い2代目に内装のモチーフを聞いたが、初代が単純に緑を好きだったからだそう。「だから1階の床もグリーンなんです」
紙ナプキンで包まれたスプーンやお菓子のジオラマもお見逃しなく。お土産には「森の精バームクーヘン」を。
あれっ?やっぱり森!?
水原空気のこぼれ話
「白鳥」が開店した1966年は、ビートルズが武道館ライブを敢行、アルバム「RUBBER SOUL」の日本盤が発売され、その中には80年代に村上春樹の小説のタイトルにもなった曲『ノルウェイの森』が。翌年には小枝のような英国モデル・ツィッギーがミニスカートブームのアイコンとして来日している。
「欧風菓子 白鳥」
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水原空気
80年代好きライター。夏の扉を開け秘密の花園へ時をかける探偵物語。GINZAウェブ「松田聖子の80年代伝説」でインタビュアーも。