フォトグラファーの鈴⽊親が、写真展「わたしの、東京」をギャラリーKOSAKU KANECHIKA で2019 年4 ⽉20 ⽇(⼟)より開催。
本展は、すべてフィルムカメラを使用し、またそのうちの多くがミディアム・フォーマットやポジフィルムで撮影されている。新作のポートレイトや東京の⾵景に加え、昨年の個展「晴れた⽇、東京」で披露された、近作の花の作品もセレクトし直され、展⽰するという。
鈴⽊親は、「Purple Magazine」を始めとする国内外の雑誌で作品を発表し、⽇本を代表するフォトグラファーとして活躍していることで知られる。90 年代よりエディトリアルやファッション フォトを撮影してきたことで知られており、GINZAの読者にもファンが多いのでは。特に、東京の街や風景とともに、著名人やモデルのふとした表情を切り取った作風は、街と人物の今まで世間が目を向けてこなかった一面を鋭く美しく、写す。中でも、女優の小松菜奈やファッションモデルのuta、福島リラなど、いま日本のファッション界の第一線で活躍する面々が撮影されているのも、興味をそそられる。
花の作品についても、独自の美意識が見て取れる。都会にも、花や緑は人の手によっていたるところに植えつけられている。しかし、鈴⽊親が好んで撮影するのは、都会で手付かずでほっとかれた花だという。意図的に暗く撮影し、プリントする段階で光を拾うようにして完成させるという作風からも、デジタル写真にはない味わい深さがある。
デジタルメディアによって、多くの写真やイメージが消費されるだけになってしまった昨今。鈴⽊親のフィルムカメラで三脚を使用して撮影し丁寧にプリントする、クラシックな撮影スタイルからは、“本来の写真らしさ、美しさ”を思い起こす。
初日に開催されるオープニングレセプションは、フリーエントランスで一般公開されているという。この春、必ず訪れたい注目の写真展だ。