クリスチャン・ボルタンスキー(1944 年-)は、現代のフランスを代表するアーティスト。東京都庭園美術館での個展のほか、越後妻有トリエンナーレや、瀬戸内国際芸術祭でも展示をしてきたので、地方の芸術祭で彼の作品を体験した人も多いかもしれない。そんなボルタンスキーの国内初となる大規模回顧展が、大阪の国立国際美術館で開催されている。
「クリスチャン・ボルタンスキー - Lifetime」展示風景、国立国際美術館、2019年 撮影:福永一夫
ボルタンスキーの作品の多くは、「自己あるいは他者の記憶」を扱う。1970 年代から写真を積極的に扱うようになったボルタンスキーは、1980 年代に入り、子どもの肖像写真と電球を祭壇のように組み合わせて展示した「モニュメント」シリーズ(1985 年-)で宗教的なテーマに取り組むようになる。
「クリスチャン・ボルタンスキー - Lifetime」展示風景、国立国際美術館、2019年 撮影:福永一夫